内容説明
世界は死で溢れている。そんな当たり前のことを思い出したのは、あの日、高校で四人の女の子から告白されたときなのかな。死神の少女の話では「僕のために、百人が殺される」らしい。とりあえず、何をしようか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のれん
11
ベテラン作家がテーマ絞って趣味に走りました的作品。 主人公中心に100人殺されるというシチュエーションだけを考えた展開でひたすら殺人描写が羅列されていくのは、90年代後期から00年代の暗さを思い出す。 ミステリとしてのオチはクリスティ譲りの滅茶苦茶加減なのでお察しだが、愛=生=死の図式は懐かしさが勝ってしまって良いかとなった。 愛とは身勝手な願いであり、自身のものにならぬのなら存在すら認められない。 でもまぁ、思春期ならともかく、今読むとキャラについていけないし展開・描写も全く自然じゃないのでキツい。2021/11/07
ごぅ。
11
好きだから、、、、その形の在り方が無様でほくそ笑んでた。。。。自分も大概だと思う。。。どうでもいいか、、表紙の右手が気になる。。。どうでもいいか、、、2012/03/16
シュエパイ
10
祖母の死と時を同じくして、四人の少女が少年に告白し、一人の死神が百人の死を告げる、っと。途中までミステリかと思ってたけども、ほんとは愛の物語なのですね♪ 物語は閉じても、きっと惨劇の日々はつづくのでしょうね、と、密やかに嗤って本を閉じます。2012/02/20
ころん
9
4人の女の子に告白された日がきっかけで、主人公の毎日は変わってしまう。「君のために百人が殺されるんだよ」と死神に言われ、実際に殺人事件が起こり始める。主人公が自分の欠落に気付く話、主人公の周りの人達が次々と殺されていくホラーテイストの話、主人公に好意を持つ女の子達が頑張る話、どんな読み方もできる話だなぁと思った。提示される情報が少ないから想像で補うしかないっても言えるんだけど。でも、こういう変わった話が大好きなので楽しんで読めました。あえて言うなら、優の断章も欲しかった。優の立ち位置がいまいち掴めない…2012/02/26
たこやき
7
読んでいるうちに、すべてを受け入れたくなった。「自分のせいで」殺されていく人々。読者として、凡その理由などは想像できるのだが、次々と起こる事件の中で、だんだんと麻痺していく主人公・一樹のようにその状況を受け入れていく自分に気づいた。そして、その結末に待っている無力感も。「好きだ。だけど殺してやりたい」という台詞は、すべてを表しているのではないだろうか2012/05/28