内容説明
維新の志士はみな傑物、明治は華やかな新時代――というのは教科書の中の幻想。デタラメな新政府と死に損ないの旧幕府がせめぎあい、実情はまさに大混乱! 家来を捨てて逃げ出す慶喜、奸計を巡らす岩倉具視、世間知らずの公卿たち……。その間を取り持って勝海舟は孤軍奮闘! 敗者は非情な淘汰で歴史から消え、勝者は好き勝手に国を創る。最終決戦・戊辰戦争を軸に、「めちゃくちゃ」な政権交代劇を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糜竺(びじく)
20
明治になって廃仏毀釈(日本中で寺院をつぶし、仏像を叩き壊す運動)が起きたのは知らなかった。あと、徳川家からリストラされて江戸を離れなかった旗本、御家人が馬鹿にしていた商人になろうとして「士族の商法」とからかわれ、全然お粗末に落ちこぼれる姿が多く見られたのは、世も末だと感じた。2024/02/04
calaf
9
明治の初期って、本当に大混乱時代。無血革命とか言われていたような気がするけど、それでも個別に見たら、何これ...という感じです。。。2012/04/16
aki
3
鳥羽伏見の戦いから函館戦争までに起きた様々な事件、反乱、戦争など46項目を取り上げている。勝海舟の表題になっているが、勝のことはあまり載っていない。 なぜこの表題になったのかは不知。 表題としたら「戊辰戦争とその周辺」とした方が妥当と考えるが。 近藤勇が官軍につかまり、谷干城が龍馬殺しその他を自白させるため拷問を提案。薩摩、長州、鳥取藩の参謀に反対され拷問をあきらめた由。官、幕とも節操のる侍は多かったですね。 著者は、江戸から幕末について研究調査している学者である。 2019/04/16
ヨシヒサ
3
勝海舟に焦点を当てた本だと思って買うとさにあらずんや。大政奉還から明戊辰戦争に至る明治初期の動乱を、それぞれの人物や事件にスポットを当てて解説。武士とは高潔なり、という概念ではなく、実はせこくて酷くてむちゃくちゃだった人も多いという事を知りうるだけでも読んで良かったのか、な?2012/03/07
あでりぃ
3
慶応から明治の数年間を濃く書いているので、予備知識を頭に入れてから読んだ方がいい。勝海舟目当てに読むと不満だろうな。が、要所要所で関わっているから、ある意味で「腹芸」(笑)。2012/02/20