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内容説明
わずか2500字に込められた、道元の禅思想のエッセンス――。曹洞宗の開祖であり、日本仏教思想史の最高峰である天才・道元の思想は、その主著『正法眼蔵』の巻頭におかれた「現成公案」に端的に凝縮されている。つまり、「現成公案」を読むことは、日本思想史における白眉の書の、そのまたエッセンスを味わうことになる。修行に、人生に絶望しそうな者に、道元はどんなメッセージを語りかけているのか。1冊かけて丁寧に読む。
目次
なぜ道元の「現成公案」を読むのか<br/>「われ」は生滅している<br/>「われ」は根拠づけられている<br/>「われ」を肯定して生きる<br/>「われ」を世界に押しつけない<br/>身心を「脱落」させる<br/>世界自体が「われ」である<br/>世界は「いま・ここ」の自己限定である<br/>「悟り」とはなにか<br/>「いま・ここ」から創造する<br/>世界は「一」である<br/>世界は「われ」の働きをふくむ<br/>道元は現実をどう描いたのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
18
これよくわからんから、只管打坐。2015/11/19
陽麿(お陽さま麿やか)
11
難解な現成公案を普通の人が読めるように解説してくれている。 読み進めていくうちにタイトルの意味がじわじわと伝わってきた。 何度も読み返したい一冊。2016/06/22
shimashimaon
7
kindleunlimited。和辻哲郎『道元』に引き続きですが、それが直接のきっかけというよりも、今まで読んだり考えたりしてきたことが道元によって腑に落ちるような気がしたのです。気がしたのであって、わかったのではありません。本書を読む前は大袈裟なタイトルだなと思ったのですが、今では「絶望しない」ようにいられる気がして、心が楽です。人生は味わい尽くすしかない。私はそのように考えています。本書には西洋哲学の知見も登場しますが、日本人が日本人のために日本語で書いた『正法眼蔵』をもっと味わいたいと思っています。2022/08/28
高光浩二
3
誰もみな自分の世界を生きている2016/01/26
佐原Auto
2
曹洞宗の開祖、道元の正法眼蔵の冒頭の現成公案のみを説明した本である。 それなのに、悟りについて全て言い表されているという内容であった。 全ての人は仏性を備えている。ただ修行をしないと仏性を備えている事がわからない。 禅問答について知りたくて、この本にあった。 隻手の音、両手を叩くと音が出るが、片手の音はどういうものか。 片手には音を出す性質がある。出会いが無いと音は出ない。 全ての人の仏性もそのようなものだと言っているのではないかと思った。 良書であった。 2022/09/30