内容説明
語りきれない苦しみを抱えて、人はどう生きていけばいい? 阪神大震災を機に当事者の声を聴く臨床哲学を提唱した著者が、東日本大震災から一年を経て、心を復興し、命を支える「人生の語りなおし」の重要性を説く。
目次
第1章 「語りなおす」ということ―語りきれないもののために(心のクッション? 「まちが突然、開いた」 語りにくさ ほか)
第2章 命の世話―価値の遠近法(求められる、もう一つの語りなおし 危機の信号 決められないわたしたち ほか)
第3章 言葉の世話―「明日」の臨床哲学(見えないことが多すぎて 特殊な素人 見えているのに見てこなかったこと ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
51
10年前の本。大震災の翌年という状況。今、読むことの意義を痛感。鷲田先生の言葉が響く。いくつものキーとなる言葉・概念が心に残る。時間を渡す・・価値の遠近法・・口下手の信用・・言葉の質感・・対話の意義・・対案無き非難・・アート・・インターデイペンデンス。まさに、生きるための哲学であり、臨床哲学そのもの。2022/08/20
あちゃくん
39
改めて、言葉とは?コミュニケーションとは?について考えさせられる。2022/05/01
ムーミン
19
「誰も声のかけようがない状態の中で、わたしたちはできるのはこの看護師さんのようにじっと傍らにいるということしかないのかもしれません。あるいはせいぜい、ご本人を遠目に見つめながら、その人がおられる場の空気を少しでも入れ換えるようふるまうことくらいしか、ないかもしれません。……ちょうど台所仕事をしながらうまく子どもの話を聴きだす母さんのように。庭に水をやりながら「ふーん」「ほう」と老親のつぶやきに応えるともなく応えるおとうさんのように。」P.1852018/05/20
RED FOX
19
哲学者が書く震災の本ってなあ!?遠いんじゃないの~と思ってましたが、全然ちがってごめんなさい、よかった(>_<)インテリなのに平易で冷静で優しい訴えの数々に泣いて考えさせられ、いっぱいメモリました♪2017/03/21
yumiha
14
学者さんの本のわりには読み易かったが、それでも辞書の必要な数語があった。3、11を忘れたかのような原発再開の風潮の今、その直後の痛みへ「語りなおし」の自己の物語を提起されていたのは新鮮に感じたし、『ピスタチオ』(梨木香歩)の死者の物語につながると思った。高度消費社会でアメニティなど手に入れたものと、失ってきた人とのつながり。そこに絡んでくる「自己責任」「孤立貧」など、現代社会の矛盾を読み解くヒントがありそうだが、私にはまだ薄ぼんやり・・・(ノД`)・゜・。2014/12/29
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