内容説明
監察医として40年以上にわたり、2万体以上の死体と真摯に向き合ってきた著者。その彼が、昭和と平成で死体が大きく変わったと指摘する。純粋に生きた昭和の死体。死因さえわからない平成の死体。その差とは何か、生とは何かを綴った、死体の切ない叫びが聞こえる感動のノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やっさん
124
★★☆ 死体の温かさ・冷たさを取り上げている本だが、そんなことよりも死因の多彩さに終始驚く。腹上死は有名な話だが、格闘技の観戦中にショック死するなんて壮絶すぎる。2019/07/20
zero1
34
【屍は生ける師なり】は「白い巨塔」(山崎豊子)に出てくる言葉。死体は我々に何かを語る。誰かがそれを読まねばならない。昭和と平成で死体と犯罪はどう変わったか?上野は元東京都監察医務院長で2万を超える検死の経験がある。イブに死んでいるのが見つかった元タレント。亡き妻の晴着を着て亡くなった老人。扇風機で亡くなる人。低体温症での奇跡的な生還。産み落としと赤ん坊を捨てる親。死体は社会を反映する。そこには人間ドラマがある。もうすぐ平成は終わるが、何が変わって何が変わらないのか?薄くて読み易いが興味深い内容だ。2019/02/25
kinkin
25
長年にわたって監察医として多くの検屍を行ってきた著者。死因も昭和と平成では変わってきているということを知った。2014/04/29
あっちゃん
22
読メのレビューを見て気になり読了!元法医学者のノンフィクション、難しいかと思いきや、読みやすいので、一安心(笑)昭和の話が多いけど、確かに親の不注意は昔と今じゃ大分ニュアンスが違うなぁ(  ̄▽ ̄)2018/10/08
いぼいのしし
9
『扇風機をつけたまま寝ると死んでしまう』って聞いたことあるけれど、めったにないことみたいだ。高齢になると普段の何気ない行動でも死に至ってしまう。まだまだ若いと思っても無理は禁物。2014/11/01