内容説明
青春小説+恋愛小説の傑作、待望の電子化!
「世界は変えられないと知ったから、わたしは自分のほうを変えることにした」――タレント志望の栞、ロックファンでイギリス留学を夢見るサチ、仕切り屋で優等生の裕子、ヤンキーではからずも妊娠してしまう矢野、そして精神を病んで転校する萌絵。5人の女ともだちと恋人の岸田くんとの交流。「わたし」の15歳から16歳までの青春を、みずみずしい文体で描いた傑作。絶賛を博した長篇小説を電子化。
<思春期の少女の世界を描いたこの作品の、一人称の語り口は綿菓子のようだ。それはティーンエイジの美しさとともに、危うさを想起させる>(井上荒野さん)
<人生のこの時期だけの、誠実さや狡猾さ、臆病さや陽気さ。冒頭を読んだだけで私は嬉しくなってしまった。ああ、健気で厄介な女の子たち!>(江國香織さん)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
cithara
4
今時の女子高生にはヒエラルキーがあるらしい。本書を読むと彼女たちがいかに周りの友だちに気を遣っているかが分かる。「ハブ」にされるのを何よりも恐れていると。私はぼーっとした女子高生だったので周囲には非常に鈍感だった。これは幸いなことだったのかも。私が現役の女子高生だったら毎日針のむしろで耐えられなかっただろう。わたし(秋子)に彼氏ができたことはまことに喜ばしいトップニュースだ。でもそのことはグループの一人にこっそりと打ち明けるのみ。仲間内で互いに胸の内をさらしあうというわけではないらしい。窮屈な生活だ。2015/08/24
yamakujira
3
なかよし女子高生、秋子と萌絵、裕子、栞、矢野、サチたちの日常をつむぐお話。卒業が近づくにつれてばらばらになっていくなかよしグループ、それぞれの進路がおぼろげに見えてくる中で、最後まで醒めてる秋子がなんだか危うく見える。思春期の少女たちって男にはわからない世界だけれど、「ひとりで行動してる」のを白眼視する世界は男女問わずまだまだ子供界なんだよね。そんなに苦労してつるまなくてもいいのに。 (★★★☆☆)2014/05/11
ゆーた
3
「世界は変えられないと知ったから、わたしは自分のほうを変えるのとにした。」 主人公の秋子は10歳でそんな事を考えた。 成長して15歳がメインの話になる。 冒頭から暗い感じだけど、文章は読みやすく、彼氏の岸田くんが電車好きなのが嬉しい(笑) 女子高生の秋子と女友達5人、彼氏との青春&恋愛小説。 2012/03/07
リEガン
2
周防正行監督の傑作「それでもボクはやってない」で、重要な目撃証人を演じていた唯野未歩子。楚々として誠実な印象の女性を驚くほど自然に演じて、強く記憶に残る名演だった。だから購入してみた本書。心地良くアッと言う間に読んだ。文章も映画の時のように、なんだか楚々としている。2012/03/03
さくらに甘雨
1
作者が原作・監督の「三年身籠る」が面白かったのでこちらも。よくある「16歳ならではのモヤモヤ、友達や恋人との葛藤」とも違う。主人公がちょっと現実離れというか、ありえない思考や行動なので、共感もできないし、現実味はナイかも。親や恋人もおかしいし(笑)ちょっとファンタジー。でもなんかいい。彼女なりの芯があるんだろうな。うっすらイヤな夢を見ているような本。2016/09/29
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