内容説明
史上最大の軍事力を背景に一大帝国として世界を動かしてきたアメリカが、莫大な財政赤字に伴う国防費の削減によって軍事力を大きく縮小しなければならなくなっている。アメリカの帝国体制が崩壊すれば、どのような変化が日本に襲いかかってくるか。たとえば、帝国主義体制を背景にアメリカが推し進めてきたグローバリゼーションの動きが挫折してしまう。TPPは、まさにアメリカの軍事力を背景にしたアジアの自由貿易化の動きにほかならないが、アメリカの軍事力が衰退すれば、日本経済の根幹になっている自由貿易も大きな影響を受ける。また、アメリカの軍事力のタガが外れれば、北朝鮮やイランだけでなく、シリア、スーダン、アフリカの国々までが核兵器を持ち、簡単に使う恐れがある。必然的に、日本にとっては北の核の脅威が高まってくる。アメリカの軍事力の庇護を失いつつある今、日本はどうするべきなのか。ワシントン発「新・世界秩序」の読み方。
目次
第1章 アメリカのアジア極東戦略が破綻した<br/>第2章 アメリカは中東から追い出される<br/>第3章 なぜアメリカの戦略的立場が急転回したのか<br/>第4章 日本は核抑止力を持つべきか<br/>第5章 オバマはアメリカをイギリスにする<br/>第6章 キッシンジャー博士との対話から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よしさん只今休憩中~
2
約1年前に出版された本。以前に「日高義樹のワシントンリポート」をよく見ていたことから、1年前と今とでは状況がどう変化したのか見比べるのも面白いと思い何の気なしに購入した。(ブックオフで105円^^;) 正直言ってこれほどタイムリーで考えさせられるとは思わなかった。本書で指摘されている事項についてはまさに現在アメリカおよび日本で進行している事象であり衝撃的である。日本の報道(正直マスメディアの情報はほぼ価値のないものばかりだが)にはない視点は国際情勢を考えるうえでとても貴重と言える。 2013/04/07
kotukotu1212
1
これからの世界情勢の参考に読破。2012/04/16
しゅれ(高精細)
1
主義的な面が見られることは確かだが、内容については流石と思わせる。政治や軍事に疎い人にもわかりやすいと思われる内容・構成だった。時事問題に関心を持ち始めた人への入門の書としても。国際的な軍事問題についての議論が活発化している今、広くおすすめしたい一冊。2012/03/26
グスタフ
1
予想どおり、この人はだいぶ共和党よりだ。人格攻撃はやりすぎの感もあるが、オバマへの攻撃に終始している。オバマの国家戦略のなさが、中東、東アジアの混乱要因の現況であると断じている。特に、中国に対しては厳しく見ており「ヒットラーと変わるところが全くない」とまで不信感をあらわにしている。たしかに、アメリカが弱体化し、存在感の薄くなった日本を核の傘で守る余裕がなくなるのであれば、日本も核武装すべきだという主張には説得力がある。で、最近の尖閣諸島などをめぐる動きを見ていると、残念ながらあまり良い隣人ではないようだ。2012/03/18
きぶんてんかん
0
Kindleで買ったときには既に多少内容が古かった。著者は相変わらず共和党的な見方をする。2014/03/22