内容説明
日本の戦争責任問題をきっかけに「犠牲」について考えてきた著者に、落合恵子が原発問題の本質について聞きます。犠牲なくして成立しない原発は、ひとのいのちが軽視されてきた、これまでの社会を反映しています。脱原発は、社会構造を変える道でもあります。原発問題について、いままであまり関心を払ってこなかった方にこそ、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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目次
第1章 子ども時代を奪った福島第一原発の事故
第2章 「犠牲のシステム」について考える
第3章 忘却していく日本人―政治・メディア・学者の責任
第4章 犠牲を出さない社会をめざして
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hiroki Nishizumi
4
「はじめに」が良い。ヘーゲルの進歩への考え方と、現実世界での犠牲というものの再定義で背筋が伸びる。放射線量基準はどうなっているのか。何をもって収束と呼ぶのか。「まるで原発事故などなかったかのように」についても痛烈な指摘だ。自分が犠牲になれるのか、という問いただしを日々忘れないように過ごしたい。2014/08/23
そーすけ
1
245*自分が犠牲になりたくないし、誰も犠牲にしたくない。2016/09/25
Yuko Miura
1
「犠牲」についていろいろと書かれている、哲学者、高橋哲哉が落合恵子の問に答えているもの。関学神学部の”キリスト教徒文化概論”の授業で柳澤田実先生が高橋哲哉の靖国問題を取り上げられた時に、高橋哲哉を紹介しておられたので、まず、一番読みやすそうな小冊子をと思い手に取りました。秋に福島に行くまでに少し、勉強してみたいと思います。2015/05/19
まさきち
1
きわめてシンプル.システムの「犠牲」になっている人はいないか?そして,その「犠牲」に自分がなれるか?なれないのであれば,そのシステムは改善を目指すべき.という話.原発だけではなく,基地問題も,医療現場の問題も,同じ視点で見なおしていける.必要な「犠牲」がある,という人たちは,自分が「犠牲」となることは考えない.2012/05/28
tu-ta
0
再読かもしれないが、覚えていない。別の人のレビューにある「きわめてシンプル.システムの「犠牲」になっている人はいないか?そして,その「犠牲」に自分がなれるか?なれないのであれば,そのシステムは改善を目指すべき.という話」という整理は秀逸だと思った2013/04/06