講談社現代新書<br> 超高齢社会の基礎知識

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講談社現代新書
超高齢社会の基礎知識

  • 著者名:鈴木隆雄【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 講談社(2015/03発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062881388

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内容説明

少子高齢化が叫ばれて久しいが、高齢者の身体的特徴や健康度をどれだけ把握しているといえるだろうか。著者は長寿研究の代表的機関に長らく勤務し、世界的調査研究にも従事してきた経験から、高齢者という集団の特徴を科学的に明らかにしていく。医療技術が進歩しても、ヒトは必ず死ぬ。死を前提にしたうえで、著者は、これまでの病気を完全に治癒する医療のありかたから、地域社会で支え癒す福祉への転換を促す提言をおこなう。

目次

第1章 二〇三〇年超高齢社会のニッポン
第2章 寿命と健康の変化
第3章 病気予防と介護予防
第4章 老化について科学的に議論するために
第5章 予防の先にあるもの
第6章 超高齢社会に挑む

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

二輪病

7
医療の発達は高齢者の健康水準を改善するが、それに伴った高齢者の多様化に応える制度を整えなければならない。また高齢社会においては疾病予防よりも介護予防への本質的な転換が避けられない。このようにケアを提供する側の変化が必要な一方で、高齢者にも死に対して真剣に向き合う姿勢が求められる。健康水準がいかに改善されようとも、死や介護の必然性は受け入れられなければならない。その上で介護の依存度と自分の人生観を天秤にかけ、理想のQOLの実現を図る必要がある。きたる超高齢社会について参考になる一冊。2014/01/16

芝虎

6
豊富なデータ量で参考になる・歩行速度で、健康状態が分かる・どんなに健康体であっても、歳を重なるにつれ、身体→排泄→摂食の障害が表れ始める・運動によって改善、予防できるものはあるが、人は限界寿命があるなどなど。本書を読む前、私は逝くときは、人に迷惑かけないで逝きたいと考えていた。この考え方は、日本人特有の謙虚や遠慮からくるそうだ。本書を読み、自分が老いていく未来を想像し、死とは単純に割り切れないことだと改めて考えるきっかけになった。2014/12/20

hatohebi

5
「ヒトは百十五歳ころまでには必ず死ぬ」(p.4)が、現代社会では「死だけが妙に遠い存在」(p.38)である。私達は生活から死を遠ざけ、不可視なものにしてきた(鷲田清一も指摘している)。だが長寿社会となり、肉体的に死に向かって少しずつ坂を下りていく期間も人々も増えた今、老や死を組み込んだ仕組みや価値観を本格的に築いていく必要があるのではないか。筆者は「高齢者をつねに社会的弱者として(社会的な分子として)カウントするのか、あるいはまた社会的資源として(社会的な分母として)カウントするのかによって、おそらく今→2023/02/08

T

5
高齢者の介護予防についての医学的な視点からの著書。筆者が医学分野の専門家なので、介護を予防して生活能力を維持向上するための実証研究が多数紹介されており、興味深く読ませていただいた。老化に対応するため健康診断が重要だとなんとなく思っていたが、高齢者において必要なのは疾病に関する健康診断だけでなく、生活能力の状態を把握する診断だと知り、両者の目的の違いを理解することの重要性を知った。介護予防のための自助努力の必要性について説かれているが、その意識向上のための方法論には言及されてなかったことは残念。2017/10/21

しろやぎ

4
(★★★★★)自分や親のことを考えながら読んだ。2030年ごろ、現在よりも50万人の死亡者増が見込まれ、受け皿となりうる医療資源を考えなければならい。高齢者を常に社会的弱者として考えるのではなく、その健康度を理解し、社会的資源と考え議論すべき。前期・後期高齢者の施策上の区分けには、科学的根拠があり、70~75歳以降は、疾病予防ではなく、介護予防が重要となる。歩行能力の維持が生活を支えるのであるとのこと。可能な限り住み慣れた地域で自立した生活をすることを支えることが「地域包括ケア」の目的。2017/04/30

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