内容説明
そのとき、日本人はみな発展と成長を信じて、上を向いて歩いていた――。五輪開会式の空を飛んだもう一人のパイロット秘話、銀座から都電が消えた日ドキュメント、中野にオープンした〈東洋一〉のブロードウェイ!……二度と戻らない日々の忘れられない物語。昭和の愛惜の光景を、静謐な筆致で描き出す、美しきノンフィクション作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
62
飴色の物語が並んでいるように感じるのは、自分の中で昭和というものが特別だからなのかしら?もう自分が生きた昭和よりも平成を生きる方が長くなると言うのに。長い時間の中の1日は、その時は意識していなくても時の流れと共に輝きを増していく。表紙もその懐かしさを蘇らせるに十分な絵で好み。自分の生まれた年の物語を読むと、どんな時代の中で自分がこの世に出てきたのか・・・とか胸が膨らんでしまった。きっと、平成の時代の中にも特別な1日があって、懐かしく振り返るんだろうな。2012/06/13
金吾
16
すべて生まれる前の話にも関わらずノスタルジックを感じました。昭和という時代を感じさせてくれる一冊でした。オリンピックと都電の話が良かったです。2021/05/05
ごへいもち
14
パラパラと手に取ったら原という文字が目に付いた。「鉄道の原」と気付き読んでみたがイマイチ。東京オリンピック・都電の項はまぁまぁだったが日本橋の項以降はつまらなかった。なぜだろう2012/09/15
sugarpon
4
昭和は遠くなりにけり…が実感できる本。特に日本橋の項に感慨があった。あの川の真上に高速の高架があるだけで、川の方には全く目が行かないし、橋の上は全くの日陰なので、立ち止まることなくさっさと歩を進めてしまう。いろいろな意味で昔は日本橋がすべての中心にあった、という歴史はとても興味深い。2014/08/02
onepei
2
前半と後半で話の運びが変わった。前半のオリンピック、都電の章が好み。2012/05/22