内容説明
科学の発展は、科学では解決できない問題を生み出す歴史でもあった。本書は平和を希求する科学者の集まり、パグウォッシュ会議に触発されて書かれた。会議の姿勢は評価しつつも、科学の発展そのものが文明や人類を破壊しうるという認識が科学者の側には足らないと指摘する。二十世紀を代表する批評家が遺した警世の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんこい
3
真理を追究する科学と、それが生み出した成果をどう活かしどう制御するかのバランスは難しいです。科学だけでなく、言論、宗教、どれも同じような課題があるな。最近はそういった社会的責任もあまり話題になっていないような気がします。2013/10/15
だんだん
2
程度の差はあれ、科学を志す人たちは、一定水準以上、なにがしかその成果が社会的に活用されることに対して意識を持つ必要があるということなんだろうな。原子力の平和的利用ですら、天災きっかけとはいえ人間への災厄になっている現状を見ると、科学者の社会的責任という考え方は、コンセンサスが必要な、大事な議論だと思った。2017/04/13
shrn
1
科学者による発明や発展が人類を滅ぼす危険があるということで、責任を感じろということであるが、たしかに原子爆弾という兵器自体を作り出したことには責任はあるだろう。しかし、核分裂といった兵器自体ではない科学的な発見をした人は責任を感じる必要がないのではないかと思う。2012/08/20
ERNESTO
0
55年の「アインシュタイン宣言」の現代物理学の絶対悪にふれて、52年のバグウオッシュ会議参加の湯川秀樹からは、絶対悪に加担した自己懺悔が出てくる基礎もない。 その失望や怒りを示した、著者の遺作で、真・善・美の統一原理として、幸福をもっと深いところから考えたエッセイ。 科学の発展そのものが人類の幸福を阻害する教委を孕んでいると見た、朝永振一郎・ハンゼンベルグらを評価する。 その湯川ですら制止をした原発を推進した今の物理学者は、湯川にすら劣る。 2012/04/14
denbe
0
著者の科学に対する「無知」が気になる。帯びの「最悪の自体をなぜ防げなかったのか?」というのはあまりに「科学者への責任転嫁」の意味合いが強く腹が立つ。 2012/01/25
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