内容説明
雇主に関係を迫られて逃げ出したコンパニオンのネルは、乗り込んだ馬車が横転して席から放り出され、気づくと見知らぬ男性の腕の中にいた。偶然乗り合わせた裕福な身なりのそのハンサムな紳士は、魅入られたようにネルを見つめ、いきなり唇を奪った。そして我に返るなり、あわてて彼女を解放して恥じ入った。ネルはそんな実直そうな姿にときめくが、彼が社交界で噂の的のブロムウェル子爵だとわかり青ざめる。追われる身となった今、目立つわけにはいかないのに……。自己紹介を迫られ、困ったネルはとっさに偽りの名を口にした。★ネルが告げた名前は偶然にも公爵令嬢のもの。女はその場をやり過ごそうとしますが、誤算は子爵が窮地にいる女性を放っておけないほど親切なことでした。M・ムーアの魅惑のリージェンシーです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akiyuki_1717
2
それなりに面白かったけど、ヒロインの言動が好きになれない。階級の違う人の名を騙ってる割には罪悪感をあまり感じていないみたいだし、出て行くと繰り返す割には、もう少し屋敷に居させてもらおうと平気で口にする。娘は詐欺、父親が窃盗犯といっても驚かない感じ。シリーズ物でやたらと登場人物も多くて、この本をはじめに読んだので、ごちゃごちゃして誰が誰なんだか途中で訳が分からなくなった。ヒロインは現代女性の思考で、ヒストリカルトしては突飛すぎるかな。シングルマザーになることも厭わないと考えるなんて、ちょっと過激すぎる気が。2015/08/09
kyara
1
情熱的なところは全く感じられなかった蜘蛛好き男もヒーローになると大変身・・・でした。ヒーロー父、一体どんな本を収集してたのさ!病弱に見えた(見せてた)ヒーロー母の最後の逆襲も一興でした。2012/01/26
ネフェルティア
1
ブロムウェル子爵は博物学者で、航海から帰ってきて、蜘蛛の生態や旅先での様々な体験談を書いた本を出版して、社交界の時の人。社交界でもてはやされているにも関わらず、放蕩者でないし、いたって真面目で実直なヒーローで好感度が高い。それに反して、偽名を語らざるを得なかった状況はわかるけど、ネルの言動が好きになれなかった。「数多くの困難を乗り越えて結ばれる二人」という話にしたかったのだろうけど、ちょっとやり過ぎの設定では・・・と思ったところもあったし、突っ込みどころ満載だった。2012/01/04
Mei♪
0
ヒーローもヒロインも、今までとはちょっと違う設定で、違和感を覚えながらも面白く読めました。ヒロインの両親が犯罪者?で、良いの〜?って疑問もあるけど。2014/03/10