内容説明
あの「3・11」から間もなく1年(平成23年12月下旬現在)。この間、マスメディアは連日のように放射能被害の恐ろしさを煽り立ててきたが、放射能濃度がどのレベルになると人体に影響が出るのか、その基準値はなぜか定まっていない。そして、風評被害ばかりが広がっている。その結果、新聞各紙の世論調査でも70%以上が「脱原発」。文化人、アーティスト、ジャーナリストたちの「脱原発」の比率は、それよりもはるかに高い。「脱原発」を唱えなければ、あたかも東京電力や経済産業省に取り込まれているかのように捉える風潮が強い。こうした風潮に危うさと無責任さを感じた著者は、原発事故の“戦犯”である東京電力幹部、経産省幹部、担当大臣、識者などへの取材を敢行し、問題の核心に斬り込む。原発事故の本当の原因は何か。「放射能汚染」の実態とは。日本にエネルギー戦略はあるのか――。いまこそ日本国民が知っておくべき真実を提示する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
それいゆ
19
原発については、テレビ報道や数々の書籍が発行されており、田原さんが言うことが特別な内容でもないので、あまり新鮮な感じはしませんでした。原発事故は、平安時代の貞観地震級の大津波がくればどうするかについて具体策を議論しなかったことにつきるのかなと思います。原子力発電よりも自然エネルギーの方がいいのは誰もがそう思っており、脱原発、反原発と言うのは簡単だし、原子力発電の比率を下げればいいのも分かっています。田原さんはメタンハイドレートの開発は難しいと言っていますが、本当にそうなのでしょうか?私には分かりません。2012/04/23
jiangkou
2
3.11後、あえて原発を導入時代の関係者、事故対策にあたる東電の関係者、経産次官など原発に携わる人の意見を聞いた本。納得いかない部分もおおかったものの、やはり科学的な根拠から原発とのつきあいを考える必要を痛感した。脱原発に舵をきるべきだ、とは思うがやみくもに反原発を唱える人の存在が正しい原発の安全議論をさせない一因となっているとも感じた。個人的には今回の原発事故は「管理上」のミスだった(日本のミスを許さない社会風土から醸成されたミス)というのがしっくりきた。原子力戦争と合わせてよむべき良著。2016/01/28
happyrich
1
脱原発を訴えるのは簡単だし、異論のある人は少ないと思うが、反対意見を許さない反原発派の態度は、かつての安保闘争を彷彿とさせ、科学的な検証や、リスク管理の視点からの論議を一切許さないなど、問題が大きいことを指摘。また、脱原発の先にある現実として、高コストの自然エネルギー負担は国民に跳ね返り、日本の国際競争力が下がり続けること、残された核燃料をどう処理するのかなど、冷静に見極めるべき問題を提起してくれている良書。深く考えずに、やっぱ原発はいやだよね、と言ってる人に読んで欲しい1冊。 2012/09/07
Riopapa
1
震災後は感情的に反原発になっていたが、もう少し冷静に考えてみる必要はあるかも。ただ、今でも東南海地震が来たら、あの辺の原発は大丈夫なのかという懸念は拭い去れない。2012/05/21
M
1
未だ絶対的な安全性の確保を求め、「リスクの確率」で議論が出来ない日本において、"第一の敗戦"を生き抜いてきた著者の言葉には重みがある。常に悪玉扱いされている東電の"現場"を中心に取材された内容は、安全な場所からみていた自分の浅はかさを気付かせてくれる。「建屋をカバー」したらどうなるか?現場にいれば気付く大きな問題すら、安全な場所にいる人々は気付かない。必死に最悪の事態を防ごうとしている現場が、廃炉を恐れて海水注入を拒否するなど、冷静に考えてみればおかしいはずなのに、気付けない。原発賛否関係なく読むべき本。2012/03/11
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