内容説明
生きる意味はあらかじめ存在しない。生きる中から作られるのだ――。人気のカリスマ禅僧が、誰もが一度はぶつかる根源的な問いに、「禅問答」のスタイルで回答。仏教の本質を知り、人間の真理にせまる画期的な書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カツ
7
大好物の南老師の本。対話形式で話が進むのだが対話者がなんか偉そうなのが鼻につく。「賭ける仏教」もそうだったからこれも宮崎哲弥氏なのかな。は、さておいて読んでいて難しくもあるのだがスッキリとするとこが好き。南さんは禅僧なんだけど哲学者の様だ。2025/06/27
安国寺@灯れ松明の火
7
タイトルから想像するよりもインパクトの大きい内容でした。仏教が提示するのは「自己とは何か」という根源的で答えようのない問いがあることと、その「問い」に対峙するための手段があることであって、その「問い」を一挙に解決する「答え」ではない――自己という存在を意識すればするほど自己ではない何か=「非己」が現れてくる、という感覚を共有できる人は少なからずいると思います。そうした感覚とうまく折り合いがつけばいいのですが、そうでない人にとって、本書は一読する価値があるかもしれません。(続く)2012/12/21
アルカリオン
4
一部要旨▼仏教は宗教であるので「信じる」ことなしには始まらない。但し、信じるとは現世利益を当て込んで取引することでも「教祖」と称する人物に服従することでもない。釈迦の考えた仏教のロジックを基礎として行動することにより自らの「苦」を消滅させることができると「信じる」ことだ▼現代の科学的世界観(物理法則等)は、実証された「正しい」ものであるとされているが、これとて究極的にはそれが正しいと「信じる」人が多数いるという事にすぎない▼科学的世界観を信じるのと同様の意味合いで仏教を「信じて」修行するのが仏教者である。2019/01/03
三上 直樹
4
恐山の副山主・南直哉師による対話形式の仏教入門書と言えば聞こえがいいですが、プッダや道元禅師を超えて、縁起を基軸に非己があるからこそ自己があるとする仏教理解に沿って世間を再構築する試みには難解さがつきまといます。 ここまでの理解にたどりつけるか、私自身に問われている気がします。2017/12/11
道流
3
初期仏教(上座部、テーラワーダ)こそホンモノだと日本の仏教を卑下しまくっていた失礼な私でしたが、ある時、この本の作者である南禅師の写真を見て「うわ、この人多分とんでもない人(褒め言葉)だわ・・・」と思い著書を手に取りました。はい、とんでもない人でした。生きるとはどういうことなのか、死ぬって何?という事がまさに私自身の痛烈な悩みでもありましたので、余計に共感できたのだと思います。そういった問題を抱えている方は一度手に取ることをおすすめします。仏教の、大乗仏教の或いは禅の凄まじさを改めて痛感します。2012/12/24
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