内容説明
福島で原発事故が起きた。日本に深刻な放射線問題が残り、そのことによって日本人の人生設計は大きく変化せざるをえない状況になってしまった。そしてそのことは従来の環境問題であるリサイクルや温暖化などとどう関係してくるのか。従来の環境問題と新しい環境問題。複合的な新しい環境問題について、武田邦彦が危ない問題点を提起した1冊。
目次
第1章 原発事故が起こした誰も言わない後遺症(人類は地震に耐える原発をつくったことがない 「原子力発電所は安全だけれど危険だ」という論理 ほか)
第2章 体内被曝は何を基準に判断したらいいのか(いつからか1年1ミリシーベルトの基準が変わった 水の基準と食品の基準がまったく違う現実 ほか)
第3章 不安な日本の将来を変えるエネルギー問題(地球温暖化を隠れ蓑にした原子力発電 原発を中止したらエネルギーは不足するのか ほか)
第4章 “ウソの環境問題”20年間のツケ(「環境に良い原子力発電所」という偽善 軽蔑していた中国から軽蔑される愚 ほか)
第5章 最悪の環境の今、取り戻したい日本人の心(幻の環境問題の萌芽 歴史は何を教えてくれるのか ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
26
新聞やテレビで報道されていることが本当に正しいことか、考えさせられた。国や行政が発表したことをそのまま伝えていないか。福島の子供の年間被曝量が1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに引き上がられたことについて、著者は20ミリシーベルトというのは児童が胸のレントゲン写真しかも全身被爆で年間400回に相当すると指摘している。具体的な説明もなしに、被曝量を変えたり、知識のない国民にそれを当たり前のように大丈夫と言い続ける原発関係者と国に憤りを感じた。2014/04/27
yori
3
★★★☆☆ 原発や環境問題など、今までマスコミの言いなりになっていて本質やその裏にある構造など全く見ぬけていなかったので、著者の様な指摘は重要だと思う。一方で、反論する根拠がいまいち本書では不明瞭な点もあり、全て納得が行くわけではない。また、日本の近未来像として、都市をドームで覆い、定常環境を作りだすというドーム都市を挙げているが、私は絶対に住みたくない!そんな世の中になったら、、、ドームの外側に住みます。これから益々環境との境界をくっきり区別するような方向に進むのだろうか?うーーん。。2012/04/25
ガミ
2
これまでの考え方を覆す意見が多すぎて、逆に本当かなと疑ってしまうのが正直でした。それだけ、私もメディアに踊らされている人間の一人なんですね・・・。特に気になっていた意見は、偽善の項目です。「リサイクル」を推進しているかと思いきや、実はお金を稼ぐことがメインで考えられ、本当は全然「リサイクル」されたものが活用されていないことがデータから検証できると本書で言っていました(P143~P146)。確かに、リサイクル推進前と推進後でデータが全く変わっていないのであれば、それはあり得ますよね。2011/12/21
ヨッシー
1
原発の危険について、現在の原発は安全と言いつつ危険なものとして取り扱っている実態を鋭く指摘している。ちょっと毒舌過ぎる面と根拠が少し弱いと感じる部分は気になるが。テレビのコメントでは良いのだけどね。石油が当面枯渇しないという説明には驚いた。また、環境問題もウソが多いということだが、ここまで来ると真実は一体どこにあるのだろうか?2012/11/28
K
0
著者のことは知らず図書館でたまたま見つけた本で、日本の政治は課題を次世代に先送りしているだけ、みたいなもっともな記述もあるし、放射能の危険性や情報操作への注意喚起本としては意義があると思うのだけど、地球温暖化なんて存在しないとか、都市をドームで覆えばいいとか、本気で言ってんのそれ?みたいな主張もあり、最後の章とかかなり論理が飛躍して苦しいし(非常に優秀な人の一部に見られる、脳内で何ステップも省いてアウトプットするから話が見えにくくなってしまう、という傾向なのか?)この人自体を信じてよいものかは疑問。2016/08/22
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