内容説明
なぜ、日本は政権交代しても何も変えられないのか?
日本社会の宿命的構造に迫り、改革の敵、日本の「官憲主義」を問う。
日本の混迷を透視していた知の巨人・山本七平。
政権交代しても日本はなぜ変われないのかがよくわかる。
すべての日本人がいま読むべき一冊。初の単行本化!
目次
第1章 「民主的」か「非民主的」かを超えて(正統か異端かを超えて 官憲主義と全体主義 歴史の中の共通パターン 日本に西欧型ファシズム時代はなかった 「暗黙の了解」崩壊の不安)
第2章 「天皇機関説排撃運動」に見る歴史の繰り返し(言論弾圧事件ではなかった 背後にあったものは何か 「教育勅語」という強い根)
第3章 十五年周期で循環する日本人の政治意識(なぜ日本には「終戦祭り」がないのか 「歴史的現在」感覚の欠乏症 終戦と安保の共通現象)
第4章 変革なき組織的家族社会の深層(西欧的正当化と日本的調和 「自由」と「組織」の欠落 変革への摸索)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
13
参院選直前の今だからこそ、図書館の背表紙で気になって借りた。著者は1991年に逝去されている。しかし、問いそのものが重要だ。今日の3.11原発事故処理を間違えてしまいかねないので。教育勅語が19世紀末にできた(112頁~)。孝悌、忠君愛国(117頁)。今、日本は単身世帯急増、非正規も増え、生活保護のカットや、無縁社会や孤独死が問題化している。家族がベースとなって機能してきた社会のようではあるが、農村の解体で家族はバラバラになって、豊かさを失ったように思う。システムという概念のない日本とのこと(183頁)。2013/07/17
レコバ
4
個々のセンテンスの文意はとれるが、いくつかの章について章単位で結局何が言いたかったのかが読み取れなかった。総じて言わんとしているのは、近代以降に欧米から輸出した概念や方式を取り込み適用しているように見えるが、内実はよく似た別物でありその結果として不協和を起こしているということだろうか。例としては、システム=組織であり、民主主義、自由といったもの。基本的には時事を取り扱った本がこれだけの期間その鮮度を保ちえることが驚異的だと感じた。2019/10/19
suzuki s
3
オーディオブック。 難しいくて頭にほぼ残らなかった。 目的があって組織を作る西洋と、組織を作ることが目的の日本型の社会2019/04/15
長南 徹
2
なかなか哲学的で良くわからない点が多かったが、日本人は振り返る力が弱いのかなあ?と思った。安保や原発もそうだけど、物事が決まってしまったら、もうおしまいみたいな同じ現象を何回も繰り返している。ちょうど年末の年忘れと同じ感覚で。まあそれが日本人の良いところなのかも知れないけど…。2015/12/27
Taksejimo
2
現状の民主主義が日本の国情にあっているかについて疑問をもっている人は多いであろう。副題「日本型民主主義の構造」に興味を惹かれたのもこのためであった。この本はあるべき民主主義を説いたものではなく、日本人の政治や思想の性格、特徴やその性格を生み出す原因についての考察が主である。ユダヤ、キリスト教的な世界観と日本人の世界観の対比で日本人の思想上の性格を分析していく過程は、難解な点があっても読み進められる。明治以来西洋の文化を吸収する過程でアジアや日本の伝統から乖離した重要な問題を内包していることが理解できた。2013/05/08
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