内容説明
与力同心組屋敷がある八丁堀で、立て続けに、同心が殺された。地元・八丁堀での同心殺しは、威信にかかわると、北町奉行の小田切は気が気でない。だが、白昼堂々、次なる同心殺しが起き……。根岸肥前守が、江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第2弾。若き日の根岸を描いた、書き下ろし短編「河童の銭」を特別収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
baba
31
同じ部署で仕事をしている人の内部告発的な展開、正しい事をしていると神様にでもなったかの様に、罪悪感はないのが恐ろしい。確かに正義感をふりかざすのは辟易、何でも過ぎる事はいけない、何事もほどほどに。終わりの若き頃の肥前守と五郎蔵との出会いが救い。2016/09/12
ベルるるる
23
犯人が叫び続け、訴え続け、それを正座して聞き続ける根岸肥前守。 最後の短編は若い日のお奉行。この五郎蔵とのエピソードはいい話だった。互いに若く、互いに貧しく、互いに将来への不安を抱え、喧嘩という形でまわりに怒りをぶつけていた二人。そして今の二人の友情がある。2017/08/26
Kira
19
図書館本。だいわ文庫版既読。書き下ろしの短編は、若き日の根岸と五郎蔵の話。二人には反目し合っていた時期があったとは、意外だった。それが生涯にわたる相棒となり、五郎蔵は今でも根岸を陰ながら支えている。根岸と五郎蔵のやり取りはシリーズを読む楽しみの一つで、五郎蔵が出てくるとわくわくする。2023/12/24
Hugo Grove
16
なんかこういうのを読んだことあるような。連続殺人鬼モノで。でも、まあ面白かった。2018/01/10
たち
14
巻末の番外編がよかったです。お奉行と五郎蔵の若い時の話で、二人がどうして仲がよくなったのかがわかりました。今のお奉行とはちがった、未熟で不安に満ちた危うい「若さ」がよく表現されていました。2016/02/02