中公新書<br> ソーシャル・キャピタル入門 孤立から絆へ

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中公新書
ソーシャル・キャピタル入門 孤立から絆へ

  • 著者名:稲葉陽二【著】
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 中央公論新社(2014/02発売)
  • 中央公論新社 GW特大フェア ポイント40倍!(~5/12)
  • ポイント 280pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121021380

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内容説明

東日本大震災のさい、人々は互いに譲り合い、整然と行動した。自分を犠牲にしてでも弱い者を救った。これは、決して見返りを期待しての行動ではなく、絆や他者への信頼、思いやりの表れであった。このような絆や互酬性の規範をソーシャル・キャピタル(社会関係資本)という。ふだんは目に見えない、しかし、教育や健康等に大切な役割を果たしている社会関係資本をどう育み、活かすのか。第一人者が理論と実践を紹介する。

目次

はじめに-なぜ社会関係資本なのか
第1章 社会関係資本とは何か
第2章 信頼・規範・ネットワーク-三つの要素
第3章 社会関係資本は何の役に立つのか
第4章 何がかたちづくるのか、どう測るのか
第5章 健康と福祉の向上
第6章 社会関係資本の男女差
第7章 社会関係資本を壊す-経済格差をめぐる議論とその現状
第8章 社会関係資本のダークサイド
第9章 豊かな社会関係資本を育むために
結語

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう。

42
社会福祉において一つの流行ともなっているソーシャル・キャピタル(社会関係資本)という概念を勉強するために読みました。人々のつながりを大切にし、コミュニティを大切にすることは大切なことです。しかし、それを資本として捉えることの疑問点は自分の中に残りました。また著者は行き過ぎた市場に警鐘を鳴らすとしていますが、市場原理に対抗できる概念だとは思えません。つながりを作り出すためにも、つながりにただ頼るのではなく、社会的にしっかりとした制度・政策を構築することが重要だと思いました。2018/06/25

isao_key

12
ソーシャルキャピタルという言葉が現在の意味で使われたのはアメリカのウェスト・バージニア州の地方教育長であったリダ・ハニファンが初めとされている。1916年の『アメリカ社会政治学科年鑑』内の論文で「社会単位を構成する個人や家族間の社会的な交流、善意、仲間意識、同情など」と述べる。著者は「人々が他人に対して抱く≪信頼≫、≪情けは人のためにならず≫≪お互い様≫≪持ちつ持たれつ≫のような≪互酬性の規範≫、人や組織の間の≪ネットワーク≫のことだという。抗鬱度が低い人ほど信頼度が高く、社会参加、利他的活動に前向き。2017/12/02

羊山羊

10
経済畑の人が、専門からやや外れたことを書いた様な拙さと古さがあるが、今の時代にぴったりの1冊ではあると思う。橋渡し型、結束型という2つの方に社会関係資本を分け、それらがいかに経済外の部分をカバーしているかを解説する。現在急速に進む格差と分断の問題を分析する1冊としておススメ。特に著者の筆がノリノリの第7章の経済格差問題への容赦ない筆致は必読ものである。ここだけは書きたかったんだろうと一目でわかっちゃう。「社会はなぜ右と左に分かれるのか?」を経済的な論旨から見る副読本とみてもいいかもしれない。2021/06/09

メガネ

10
社会関係資本とは、「信頼」、「互酬性」、「ネットワーク」だとしている。ネットワークを創りだす価値に着目し、ネットワーク自体を含める場合もある。(ジェイコブズ)経済的不平等が社会関係資本を破壊するらしい。ヨーロッパ諸国では、移民や貧困層の孤立が起きている。社会関係資本によるコミュニテイーの一体感や犯罪の抑止が期待されている。スコッチポルによれば、アメリカの市民グループには本来様々な階層がいたということだが、経済的不平等が与える影響とは一体。2015/09/27

よしひろ

9
社会関係資本とは、何だろう。昨今取り上げられる、経済格差やコミュニティの衰退、孤独死の問題。これは、社会の中で人間どうしの思いやりや繋がりが弱くなっていることの象徴ともいえる。そして、「つながり」は物理的なインフラと同じくらい大切な精神的なインフラとなる。2016/04/02

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