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内容説明
海底は、ある意味「宇宙よりも遠い場所」ともいえる最後のフロンティアであり、日本が世界の最先端を走る研究分野だ。ニュージーランド沖の海底から掘り出される珪藻の化石を研究すべく、新鋭の古生物学者が国際共同研究に参加した。トイレの横の絶妙な貼り紙、外国人研究者とのけんか、改めてわかった日本人研究者の強味……。デビュー作で産経児童出版文化賞大賞を受賞するなど独特のみずみずしい表現力で注目を浴びる著者が、科学掘削船上の研究生活を快活に綴る。一方で、世にも美しい珪藻の紹介、地球の気候さらに世界史にも大きな影響を及ぼした海洋大循環など、古生物学や地球史研究の魅力も取り上げる。「研究のリアルな描写が非常に面白い!」と毛利衛氏も推薦。
目次
第1章 海底掘削研究の夢に向かって<br/>第2章 地層―地球史を閉じ込めたタイムカプセル<br/>第3章 海底掘削航海の日々<br/>第4章 目に見えない化石「微化石」<br/>第5章 様々な微化石<br/>第6章 微化石を使って研究する場所を探る<br/>第7章 船上で行われる研究―その他の研究分野<br/>第8章 研究者を支える人たち<br/>第9章 研究の先にあるもの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pend
13
こういうサイエンス分野に一ヶ月くらい出向したい。2016/03/12
非日常口
8
海底掘削について、船出から船内の環境、どういった研究、海底の地層のでき方、海流と様々に海についての概要がつかめます。宇宙以上に未知の世界。そこに私たち生命より遥かに大きな宇宙の歴史が冷凍保存されている。逆に言えば、危ない物質や菌も要るかもしれない気がしないでもないから地球に住むならチェックしておかないと行けない。放射性物質の地下水問題が要約クロースアップされた現在、海との関係を見直すのにも良い一冊。2013/08/09
斑入り山吹
3
若い研究者の調査船での体験記。色々な国の若い研究者をごった混ぜにして鍛えようという面の強いプロジェクトのようだ。もちろん最新の研究であることも重要なのだけれど、そういう話は少々物足りなかったな。それはまた別の本か?海の話はブルーバックスの『海のなんでも小事典』を読んでいたので、ははあと思うことができた。驚くほど色々なところに生物はいる、という話は、ロブダン『アリの背中に乗った甲虫を探して』で既にびっくり済み。少しずつ認知されつつあるようで、同時代に実感できて幸せだ。これは研究者を目指す人にお勧めの本です。2011/12/25
Honey
2
研究者のリアルな活動状況が垣間見られた気がして面白かったです。2012/05/02
やいまゎ
2
「研究は、一に忍耐、二に忍耐、三四も忍耐、五に根性、最後にアイディアとひらめきが大事・・」、微化石研究者より。2012/07/21