内容説明
ルーズベルトは日本の真珠湾攻撃を事前に察知していたのか。戦史研究の第一人者たちが米公文書、日本側史料、当事者の証言を精査し、あの日の実像に迫る。
目次
第1章 真珠湾陰謀説の系譜―ルーズベルトの対日政策と修正主義(ルーズベルト陰謀説の背景;太平洋戦争直前の世界情勢;陰謀説の系譜;ABCD包囲陣を検証する;大西洋会談の密約;ハル・ノート陰謀説;三隻の小船を用意せよ;キンメルとショートの名誉回復問題;ルーズベルト陰謀説の矛盾)
第2章 真珠湾を「予知」した男たち(予知説の真偽;二重スパイのポポフ;トーランドが探しだした「予知者たち」;検証―キルスー・ハーンの場合;検証―ラネフト大佐の場合;検証―ミスターZの場合;検証―テル・ポールテンの場合;ラスブリッジャーの「裏切り」;何かを探していたルーズベルト)
第3章 通信情報戦から見た真珠湾攻撃(日本の暗号はどこまで読まれていたか;機動部隊と通信情報;戦後解読された暗号からわかる日本海軍の動き;真珠湾奇襲成功の要因)
第4章 スティネット『欺瞞の日』の欺瞞(アメリカのベストセラー日本に上陸;スティネットという人物;マッカラム・メモの記述を検証する「機動部隊は無電封止を破った」のか?;無電封止は守られていた;飛び交った偽電;マッチ・ポンプの手法に惑わされるな;私の真珠湾像)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
樋口佳之
17
日本で一定の支持がある事が謎。2018/07/26
ネコ虎
8
最初からルーズベルト擁護に決めてから、それに反対する者を単に陰謀論者と印象操作しただけの誠実さに欠けるトンデモ本。3と3の倍数を読むとアホになる芸人世界のナベアツを思い出した。真珠湾というと米国大統領も米軍も兵士も急にアホになるのだ。須藤眞志というバカ学者はルーズベルトを女たらしのアホで弱虫で度胸も戦術もなかったから陰謀などできる訳がないといい、暗号も何故か真珠湾関連だけは解読できなかったから何も知らなかったという。ハミルトン・フッイシュなどの批判は一顧だにしない。政敵だから信用できないというだけだ。2017/07/09
竜王五代の人
2
秦がとりまとめ、須藤眞志・今野勉・左近允尚敏がそれぞれ一章を分担する真珠湾陰謀論批判本。当てずっぽうやまぐれ当たりであろうとも真珠湾攻撃が多く予測されていたこと、推理小説なら意外な真相へとつながりそうな違和感のある事件であるアジア艦隊の三隻の囮の小舟(イザベラ号・ラニカイ号ほか)・仮に日本海軍の暗号が読み解けていたなら、真珠湾攻撃は、ずばりそのままではないにしろ(流石に通信ではそこまで分かるようにはしていない)十分推測可能であったことなど、まとめ本として価値のある本である。2021/10/10
pon00
2
真珠湾攻撃当時の日米の状況を考察して、ルーズベルトの陰謀では無いとしている。自分もほぼ妥当な考察だと思う。ただ秦氏の担当というか4章はイマイチです。論拠を提示せず自分の感情で否定してしまっている箇所がありました。まぁ、秦氏なので‥2018/07/18