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内容説明
いかに相手国の人びとの「心と精神を勝ち取る」か-。政府要人同士の伝統的外交と異なり、相手国世論に直接働きかけるパブリック・ディプロマシー。世界各地の反米主義へのアメリカの対抗策として急速に広まったこの文化戦略は、対外広報、人物交流、国際放送など多彩であり、日本でも「クール・ジャパン」といった形で取り入れられてきた。欧米中韓が積極展開する中、文化と外交の融合戦略の実態と思想を明らかにする。
目次
はしがき バヌアツ報告-中国の存在感
序章 最前線(欧米中韓の競演
パブリック・ディプロマシーという課題)
第1章 変遷(起源
「新外交」の時代 ほか)
第2章 作法(五類型とモデルケース
「クール・ジャパン」再考 ほか)
第3章 懐疑(文化国際主義の精神
包摂された文化人類学 ほか)
第4章 日本のパブリック・ディプロマシー(歴史的変遷
制度的課題 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
282
様々な国が国家のイメージ戦略を官民問わず、動いているんだなと知った。日本もどんどん海外に対し良いイメージを持っていけるように動いて欲しいなと思った。2017/01/10
kiho
17
国ごとにさまざまな姿勢が見える「パブリックディプロマシー」⭐特にアメリカの戦略は良くも悪くも参考になりました♪日本はどう進んでいくのか…相手国に理解されるための文化の重要性を感じた。2015/10/15
佐島楓
15
そもそも文化外交で相手国の方々の「心と精神を勝ち取れ」るものなのか。この疑問がずっと読んでいる間ついてまわった。難しい問題。とにかく日本の文化外交は遅れている。国家戦略局ってどうなったのだっけ?2012/01/03
ヤギ郎
12
外交には、市民をターゲットに自国をアピールして、好感を持ってもらう「パブリック・ディプロマシー」がある。人と人がお付き合いするように、国と国が交流をするということだけれど、現代はインターネットを中心にさまざまな方法で外国と交流することができるようになった。市民は海外渡航などを通して、楽しく異文化交流する中、国家は国益のための外交を展開する。民主主義では、国民の理解があって国の事業が行われる。外交に多くのカネがつぎ込まれている。国際社会の中でどういう外交関係を実現するべきか、考える時である。2021/02/04
色々甚平
7
パブリック・ディプロマシーとして現在ソフトパワーを重視されているが、クールジャパンはターゲットが広すぎて曖昧であるという指摘は頷ける。政治を絡めず、民が行う外交で、政治が絡まない分胡散臭さが減るということだ。こちらがいくら文化発信しても受け取る側がその気になってくれないと空回りにしか見えなくなる。なので、成果は長期的に見なければならない。日本はこの政策に他国ほど金をかけてないようだが、それは民のソフトパワーを中心にしてるから考えていいのだろうか、それか言うほどそれほど重視していないということなのだろうか。2015/03/27