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内容説明
曲がった手足は意志とは無関係に緊張し、呼吸も思うにまかせない。
はっきりした意識もないかに見える―こうした心身に重い障害のある人たちは、世界をどう感じているのか。
生きがいや喜びは何か。
長年、重症心身障害児施設に勤務する医師が、この人たちの日常を細やかに捉え、人が生きるということ、その生を保障する社会について語る。
曲がった手足は意志とは無関係に緊張し、呼吸も思うにまかせない。はっきりした意識もないかに見える――こうした重い障害をもって生きる人がいる。彼らに世界はどう見えているのだろう。生きがいや喜びは何なのだろう。長年重症心身障害児施設に勤務する医師が、彼らの日常に深く降り立ち、人が生きるということ、その生を保障する社会について静かに語る。
目次
序章 「抱きしめてBIWAKO」―25万人が手をつないだ日
第1章 重い障害を生きる
第2章 どのような存在か
第3章 重症心身障害児施設の誕生―とりくんできた人たちと社会
第4章 重い心身障害がある人の現在
第5章 「いのち」が大切にされる社会へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
60
重症心身障害児・者とはどのような存在か、また文字通り命を削って奔走した糸賀一雄氏の取り組みについてより詳しく知ることができた。統合器官としての脳が過大評価されているのかもしれない。からだとこころ、脳を含めていのちであり人間であると。2019/12/03
AICHAN
56
図書館本。重症心身障害児施設に勤務する医師が、障害者たちの日常を細やかに捉え、人が生きるということ、その人生を保障する社会のあり方について語る。脳性小児麻痺ゆえ曲がった手足は緊張し、脳がなく呼吸も思いにまかせず言葉さえしゃべれない、みなほとんど寝たきり……そんな重症心身障害者たちを初めて見る人々は「生かされていて可哀想」だと感じるという。本当にそうなのか。生き甲斐も喜びも彼らにはないのか。生かされていることをどう考えているのか。彼らを長年間近で見てきた著者は彼らにも喜びや生き甲斐はあると語る。2018/10/01
№9
51
重い障害を生きるということ。読後この言葉が心に刻まれた。重症心身障害者施設びわこ学園の元園長であり医師である筆者でさえ、はじめてその子らの部屋に入ったとき、何かまったくの別世界に入った思いがしたという。…あまりにも重い障害を抱えている子らを見たとき、あまりにも無残な姿に息を呑む、誰もが怯む、それは偏見でも排除でもない、率直な感想であり、むしろ哀れみからこの子らに涙する感情である。…「生きているのがほんとうに幸せなのか」筆者自身の自らへの問いでもあるその答えを本書は示す。理性的で透き通った筆致が印象的だ。2014/01/07
ステビア
18
これもある人の勧めで。糸賀一雄が開設したびわこ学園に勤務する医師が書いた重症心身障害児(者)に関する本。重複障害をもつ人々の内的感覚を解説した第二章が白眉。寝たきりの人は移動ができないため時空の認識ができないのではないかという。2018/09/04
そり
16
水頭無脳症のかつおくんの笑顔。彼は脳が形成されていなかった。しかし、それがないなりに身体の各器官は一定の秩序をもって働いている。彼には「快」があり、気持ちよさを感じれば顔はなごむ。それが生命の存在、生きがいと言ってよいのではないか、と著者は言う。そんなの幸せでないよ、と言う人がいれば、僕は押しつけであり傲慢だと思う。▼障害を抱える子をもつ母のなかには、世話をすることで癒されている、とか助けられているとか、生きていくエネルギーをもらっていると感じる、と言う人もいる。虚しさにのみ込まれない生き方の一つだと思う2016/12/24
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