内容説明
女の世界は恋の話題で溢れている。でも、なじめない人間だっている。恋愛願望がなく、感情に溺れられない29歳の喜世美。猫と同居し、ブログでだけ自分を解放できる26歳の翔子。勤続12年、次長の肩書きもあるベテランだが、「前向き」が嫌いな35歳の鈴枝。男とつきあったことがないわけじゃないけれど、恋愛は苦手――。そんな女性たちの本音をリアルに軽やかに描き、明日へのエールをおくる小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふじさん
82
ブログを熱心に更新し一人暮らしを満喫している翔子、恋愛願望がなく、感情に溺れない喜世子、次長の肩書を持つベテラン会社員で前向きが嫌いな鈴枝の三人が主人公。恋に前向きになれない女たち、強がりや開き直りでなく自然にそういう生き方をすることになり屈託も焦りもない。独身礼賛や恋愛否定でもなく、ここに描かれているのは、人それぞれの価値観で人生を選択すればいいということ。この作家のリアルで軽やかなタッチでユーモアある語り口が好きだ。 2021/09/05
いしかわ
48
いつも、一歩引いてる。恋愛トーク、男性アイドルに騒ぐグループ、二次元に情熱を注ぐ人たち、その中に 同じくらい騒いで熱中して溶け込むことが出来ない、冷めていて変わっている私は、この小説のひとつひとつの物語に強く共感。読後感は とても爽やか。スカッとして、気持ちが晴れるイキイキとした小説。いろんな女性がいてイイじゃないか、私がいてもイイじゃないか、受け入れて、こんな私を、わがままな女性を、どうか。2013/07/31
しょこら★
47
なんというひねくれネガティブ。まるで、少し前のあたしを観てるみたい。一人で平気、ぶりっ子きもい、内気だし…きっときっと、誰よりも甘くてキラキラした恋を求めてるのに。でも、生む機械発言への皮肉とか、深読みしすぎて自滅とか。せいいっぱいの虚勢とか。あー分かる分かる、で酸っぱくなった。2013/12/11
紅香
32
一人で生きちゃ、ダメですか?の翔子に共感しきり。時々コブ茶さんみたいなグッとくるコメントを読んで、ほほほぅ~と感心して、好きなことに邁進する。一人じゃないことを確かめるためにネットを見る。そしてつぶやく。わかる。わかるな~(>_<)永井荷風のくだりは凄いの一言。三人、三様の恋愛観。つまり生き方に直結する。そして死に様もその延長線。読んだら売るかもと思って買ったけど、いやいや、思った以上に面白い。私に寄り添う一冊。暫く留まるが良いと、そっ~と、本棚に戻す。2016/08/31
detu
26
面白かった。ほんとの恋愛嫌いと言うわけでも無さそう。人はそれぞれ。事情もあれば性格もあるし、でもやはり、一人っての淋しいと思うのが人情かなあ・・・・。2015/12/16