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内容説明
ベストセラー『おひとりさまの老後』を残し、東大を退職した上野千鶴子元教授。帯の名文句「これで安心して死ねるかしら」に対し、残された教え子・古市憲寿が待ったをかける。少子高齢化社会で、団塊世代による負の遺産を手渡されると感じている子世代の先行きは不透明。だとすれば、僕たちが今からできる心構えを教えてほしい、と。30歳以上歳の離れた2人の社会学者の対話をきっかけに、若者の将来、この国の老後を考える。【光文社新書】
目次
第1章 何が不安なのか、わからない、という不安<br/>第2章 介護という未知のゾーンへの不安<br/>第3章 介護保険って何?<br/>第4章 それより自分たちのこれからのほうが不安だった<br/>第5章 少子化で先細りという不安<br/>第6章 若者に不安がない、という不安<br/>第7章 不安を見つめ、弱さを認めることからはじまる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
67
若者の介護不安などの漠然とした将来への不安を上野千鶴子が答えていくというやりかた。しかし世代間格差で片付けていても将来自分も同じスパイラルに陥り、只々上の世代をせめていても何も解決しないし、身近な話しながら難しいなぁ。2012/02/26
けんとまん1007
65
タイトルにある介護をきっかけとした社会論のように思う。お二人の対話が、世代間の対話のようでもある。それでいて、単純にそうでないのが、上野先生と古市さんだからだっと思う。社会の仕組みを作るのは誰なのか・・・ここに行き着くのだと思う。よく耳にするが、社会自体が停滞した環境で育つと、それを前提とした考え方になるというのは、なるほどと思う。改めて、そこを考えること、次の世代へという視点を持つこと。ここだと思うのだが、なかなか難しい。2022/07/23
ネギっ子gen
57
朝日新聞土曜be『悩みのるつぼ』で、「(DV)夫に似てきた息子に嫌悪感」というシンママの悩み。本日の回答者・上野先生は、「暴力は遺伝する?思い違いです」と。相変わらずの切れ味の良さに、急に先生の本が読みたくなり本棚奥より発掘。ブレイク前の古市憲寿氏と上野先生が、介護や世代間問題等について語り合った本。【共感】185頁。「世の中ってのは、座視して待っていれば勝手に変わるっていうわけにはいかないの。変えたいのなら、要求しないと何一つ変わりません」と。長年当事者として女性運動をやってきた著者だけに、説得力あり。2020/01/18
扉のこちら側
57
初読。2014年257冊め。同年代の古市氏と、親世代の上野さんの対談形式で、興味深く読めた。一ヶ所、81ページ一行目の地域包括支援センターは居宅介護支援事業所の間違いですね。2014/03/26
てんちゃん
47
当たり!予想外に良い本でした。自己中な古市さんとジェンダー研究第一人者の上野さんの対話形式の新書。無責任無意欲の古市さんをクレバー上野さんが一刀両断していきます。いつまでも子供として庇護されたい若者世代といつまでも子供を庇護したい団塊世代。社会学的にこの問題を切り開いていきます。古市さん、頭が良いのに社会の下層~中流の感覚を持ち続けているのがすごい。私は古市さんが苦手でしたが、この新書を読んで彼の優しさや純粋さに気づいてしまいました。上野さんと古市さんの親子に似つつ異なる優しい関係が素敵です。2019/02/22