内容説明
人口が減れば、電力需要も減る。日本の人口はすでに減り始めており、2050年までに4分の3になると予想される。にもかかわらず、電力危機があおられるのはなぜか? 一次データを分析し、電力の未来を予測。場当たり的な対応によって税金を無駄遣いさせないための、今まさに優先すべき対策を提示する。
目次
序章 「食糧危機」と「電力危機」の共通点
第1章 人口が減れば、電力消費も下がる
第2章 原子力発電のコストは誰にも測れない
第3章 自然エネルギーを活用しやすい国、しにくい国
第4章 電気はどこで消費されているのか
第5章 「電力消費量」と「CO2排出量」
第6章 いかに省エネ・節電をはかればよいか
終章 エネルギー政策に戦略的思考を
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
プラス3
5
さまざまなデータを読み解いて、日本のあるべきエネルギー政策を提言。ちょっと前の本だが、良し。現時点では30年ぐらいかけて原子力から火力への移行がベスト・・・というかこれしかないんじゃ?。太陽電池の変換効率が格段にアップしたり、原子力発電でとんでもないイノベーションが起こったりする可能性も無きにしも非ずですが。あと、もんじゅの核燃料サイクルはコンコルドみたいなもんだから、やめるべき。2014/08/31
vonnel_g
1
電力需給をデータから読んでみる書。これも日本の衰退をある面から見ていると言えるかも。選択肢としては原発を徐々に減らしつつ石炭火力の効率のいい炉を開発・リプレイスあたりが現実的かもなあ、と思う。核廃棄物はもんじゅで短寿命化の実験が始まるそうなのでその辺に期待したい。2014/02/21
しんたろう
1
日本の電力消費量と消費形態を多国間比較で産業用と個人用に分別して分析。所謂エコな自然再生エネルギーのコストが各国の立地条件での全く異なる事、対応如何で十分電力は確保できる点が指摘されている良著。2013/01/08
kilroy
1
★★原発ストップ派、推進派どちらの立場の人も読むべき良書。 議論する前提から検証し、科学的なアプローチで分析。 ・日本は「原発=核武装能力」の意識がない ・太陽光発電、風力発電、地熱発電は原発の代替とはなりえない ・火力発電のコスト試算が最も高い石油のさらに最高値の状態で計算されている などなど。目からうろこの連続で一気読み。 川島先生の本は読後に自分の立ち位置がぐっと動く感じがする。2012/12/27
惰性人
1
客観的なデータを積み重ね、脱原発にも原発復活にも組することなく、今後取るべき電力政策を説きます。自然エネルギー推進政策の危うさを説いた上で、日本は先進国のなかでアメリカ、カナダについでエネルギーの利用効率が悪く、家庭や公共部門での電気使用量が多い現実を踏まえれば、まず、省エネルギーを進めるべきというのは極めて正論です。2012/09/17
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