内容説明
予備校で講師のバイトをしている美大生の嘉藤雄介は、天才的な芸術の才能を持つ高校生・水谷宏司に出会い、羨望と仄暗い嫉妬心を抱く。高名な芸術一家に育ちながら落ちこぼれの雄介は、人知れず深いコンプレックスに苦しんでいた。しかし、そんな雄介に水谷は好きだと告白する。雄介は天才である彼に欲されていることに優越感と歪んだ快感を抱きつつも、自分の過去の罪を水谷に隠していることに怯えていて……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
46
嘉藤の章で「家」、水谷の章で「世界」と、ミクロとマクロなだけで絶対的な拠り所であり、孤独を感じるところでもある意味を有す名をつけたには座布団3枚。特に才能の有無関係なしに意地になって執着することと親への軽蔑混じりの憎悪と孤独の描写は正鵠的を得ているだけあって秀逸です。そして、人に責任転嫁することも自罰し続けることも自分で道を選択しないと言う意味で楽なので真相を知っても嘉藤はあのままだと思う。でも情事シーンはちょっと耐え切れなかった・・・。中出しするならコンドームをつけろよ!後、水谷父の言及は蛇足だと思う。2014/01/16
たにしぃ
30
初読み作家さんだけど、ゲーム関係で名前を目にする方なので読んでみました。自分を肯定したくて、好きといってくれる人と一緒にいたい、というのはあるかもなあ。笠井あゆみさんの挿絵が美しすぎて!表紙の色っぽさ!2012/02/01
そらねこ
29
続けて読んだ丸木さん。こちらの萌えはだいぶ低めでした…。絵の才能がある攻めが一方的に受に迫るのですが、語りは受け視点で攻の才能への妬み嫉みがドロドロしてて暗い…。それに加え、予期しないサスペンス&謎の独白が入り込んできて???最後の結末で合点がいったけど、う~む…。全ての説明と種明かしが最後に攻め視点で語られてなるほど…と思ったけど、それを全部攻めにやらせないでもう少し推理させてもらえたらもう少し面白かったのかなぁ…。「言いなり」に通じる病みがあるけど焦点が絞れずBLとしての面白さが半減してる…残念。2016/11/20
みずほ
26
小説★★★★☆ 挿絵★★★★★ 受講生(後、芸大生)×美術系予備校講師。芸術一家に凡人として生まれてきた悲劇・・・雄介の性格は、あらすじから想像していたほど悪くないと思う。女々しくて流され系だけど、少しくらい歪んでも仕方ないかな?と思える家庭環境だし。雄介の水谷への告白は衝撃的だったけど、それも、最後の愛子の私小説でまさかのドンデン返し。合間に挟まっていた謎のモノローグもストンと納得できた。水谷と愛子・・・この二人の狂気と毒に、雄介じゃ太刀打ちできないよな。伏線もうまく回収されてるし面白かった。挿絵も素敵2013/11/21
e r i .
16
これは・・・想像だにしてなかった展開。最初、受けの劣等感がものすごくて攻めを利用するような展開が続き、う~ん・・・と思ってたんですが段々目が離せなくなってきます。途中に挿む女性の文体も怪しかったけれど、ここまで歪んでるとは思ってなかった。特にラストの攻め視点は怖いの一言で、この部分だけで最初の受け視点の印象がガラっと変わってしまいました。読後余韻が残るお気に入りの一冊。2013/01/14
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