内容説明
憧れていた中東の国で、まさかこんな目に遭うなんて。皮肉な気分で、ヘイリーは窓の外に広がる砂漠を眺めた。父とともに仕事でこの国を訪れたが運悪く紛争に巻き込まれ、気づけば王族の宮殿に連行されて、軟禁状態になっていたのだ。シーク・ゼインはいったい何を考えているのかしら?この途方もなく贅沢な宮殿の主はヘイリーを解放するどころか、まるで愛人のように扱い、熱い誘惑さえしかけてくる……。今夜わたしは決めなければならない──彼とベッドをともにするのか、ここを出て行くのかを。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Michelle
13
イラクがクェートに侵攻した、湾岸戦争の発端になった実際の事件を題材にしたロマンス。いつものシークものと思ったら随分と骨太だった。アメリカからジェット機を納品するために自ら飛行機を運転してきたヒロインが、着陸寸前に、飛行場を占拠したテロに巻き込まれる。空中で誘導されて着陸したのは隣国のサウジ。無理な誘導をしたパイロットに悪態をつくが、それはクェートのシークで、ヒロインを離宮のハーレムに、保護という名目で半ば幽閉するという出だし。嘘くさくなりそうな題材を、ここまでの話に良くまとめたなあと感心した。面白かった。2024/07/25
akiyuki_1717
2
ヒロインが自立してるんだか、勝気なだけなのか、コンピューターや、飛行機を操る頭脳は明晰なのに、中東の女性の立場や,習慣をロクに知らずに大きな商談に乗り込んで、アメリカ方式を押し通そうとするおバカ加減に呆れました。常識があれば、豪にいれば豪に従えという事ぐらい理解できると思うんだけどね。ハーレムに閉じ込められたって腹を立ててた割には、第二、第三婦人になりたくないと、黙って帰国したりと、頭脳明晰な世間知らずのおこちゃまヒロインでした。体にエンジンオイルを塗りたくって少年に扮して旅するシーンは勇敢だったけど。 2018/07/26
姫宮紅真
2
シークマラソン一冊目。翻訳ものに馴染むこと自体に時間がかかったし、それ以上にツッコミどころをまとめるのに時間がかかってまだ整理しきれない。 ヒロインのスケール感はとっても新大陸。しかし最終的には肉欲に負ける。 起こってる事態のスケールも文字通り国家間戦争級(軍事にも馴染みがないのでそこにもまた苦労、地理にも弱いのでまだ苦労)なのに大勢の命を預かるシークがのんきにヒロインとすれ違ってる場合なのか!?しかも根本的にすれ違いが解消されないまま幸せそうに終わってるけど大丈夫!?ハッピーエンドとは…解せぬ。2013/08/02