内容説明
高見順、尾崎翠、寺山修司、深沢七郎……。家出、漂流、彷徨。ふるさとを振り捨て、破天荒な人生を歩んだ一二人の作家たち。彼らを「その人」たらしめたのも、またふるさとだった。作家の原点を訪ねる列伝紀行。
目次
私生児―高見順
漂流物―金子光晴
引揚者―安部公房
記録係―永井荷風
笑い虫―牧野信一
逃走―坂口安吾
彷徨―尾崎翠
巣穴―中島敦
家出―寺山修司
雲隠れ―尾崎放哉
うろつき―田中小実昌
世捨て―深沢七郎
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kuukazoo
5
高見順、金子光晴、安部公房、永井荷風、牧野信一、坂口安吾、尾崎翠、中島敦、寺山修司、尾崎放哉、田中小実昌、深沢七郎。「出ふるさと」という切り口でその作品や人生を訪ね歩く。捨てたつもりでもついて回るそこはやはり原点なのか。烙印のように焼き付けられたそれぞれの原風景。2015/08/14
miruko
1
「東京の夜空は前代未聞に明るかった。(中略)同じ土地にいても、いかなるつながりも持たない者たちが、入れかわり立ちかわり通りすぎる。そのときネオンサインは新しい時代の目じるしであり、それを見上げて自分の居場所を確認できる。故里の一本杉や、分かされのお地蔵さまにあたるもので、しばしの安心をもたらしてくれる」(p152)2022/04/26
Bibliotheca
1
ふるさとを捨てて人生を生きた十二人の作家にとってふるさととは何か、ふるさとはなにをもたらしたのか。高見順、金子光晴、安部公房、永井荷風、牧野信一、坂口安吾・・・好きな作家の原点がかいまみえた。2016/11/26




