内容説明
吾輩も猫である。名前は小次郎という――夏目漱石の『吾輩は猫である』から百年、同書をこよなく愛する著者が、愛猫四匹と暮らす日常を主人公の小次郎の視点から描いた長篇小説。日常雑感のような体裁をとりながら、古今東西の名作についての考察や現代文明批評まで、その話題は幅広く、深い。主人である元新聞記者とはむろん著者がモデルだが、その知的生活の一端がうかがえる教養小説の趣もある。小次郎の名前は、主人の愛読書『宮本武蔵』の佐々木小次郎から命名されたもの。武蔵・伊織・大和ら他三匹の猫と暮らす小次郎は、主人やその家人、個性豊かな訪問客の面々の会話や特徴を、ウイットに富んだ眼で観察し、ユーモラスに語る。肩の凝らない読み物として、また猫好きの人には猫たちの愛らしい挙措とややシニカルな語り口が、楽しい作品に仕上がっている。かわいい猫の挿画との相性も絶妙。ふだん小説は読まないという人にも、ぜひおすすめしたい好著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
251
夏目漱石『吾輩は猫である』を端にする、由緒正しき猫一人称視点小説。少しお高く止まってるの。ねこ然とした感じで良さそうに思える。しかし実の所、何かに理由を付けて、正面から受け止める事を避けている風にも感じるな。そして主人は、かつては新聞社に勤め、女子大学の教授も務め、今では文筆業をしているインテリさん。主人の住まわる屋方は、臥龍窟ならぬ臥猫窟でさ、師と仰ぐ人達が出入りするんだけど。何のことはない、みんな蘊蓄を語りに来てるだけの様な。うん、蘊蓄が凄いの( ¨̮ )。正に現代版の『吾輩も猫である』ですなぁ。2023/04/20
KAZOO
96
森本さんが大好きな漱石の「吾輩は猫である」になぞらえて、4匹の猫を飼っている主人公(森本さん)の日常の姿を小次郎という名前のネコから見て描いています。ある意味比較的辛口の評論集となっています。内容的には私の好きな高島俊夫(「お言葉ですが・・・」で有名な)さんに似ている感じがしました。文学的な話が多く古本の話などは私も頷いてしまうことが多いような感じでした。2023/05/20
白湯
50
猫の挿絵がかわいかったし、あぁ猫と暮らしてるんだろうなぁって思いましたが、お話自体はちょっとなー、やっぱりなー、親世代と同席して話しが興に乗って薀蓄やら自慢やらトリビアやら語られつくして、聞くほうはぐったり、、、という感じになっちゃったなー。もはや笑顔を作って相槌だけ打つというような瞬間も多くでてきて…つまり、斜め読み状態に!(ごめんなさい!) 夏目さんの「我輩は猫である」の記憶が薄いけれど、こんなだっけ。また機会があったら、オリジナルのほうを再読したい気もする、などと思いながら読了。2015/07/29
マサキ@灯れ松明の火
9
「吾輩」こと「小次郎くん」‥賢いですね♪人間の言葉を理解するだけじゃなく、文字も読めるなんて☆こうして、「猫目線」で人間の言っていることを見ると…確かにムチャクチャですね★★★人間も少し、気を引き締めていかないといけないですね☆※咳が酷いので、これにて失礼致しますm(_ _)m2012/02/25
コノヒト
2
主人を訪ねてやってくるのは高踏なんだか俗物なんだか有閑紳士たち。本家と同様彼らの会話とそれを批評する猫視点が主体となってお話は進む。現代世相を反映する猫視点。団塊世代を揶揄して書いている箇所がたくさん。老荘思想への憧憬。猫こそ老荘哲学の具現者であるか。随所随所のうんちく豆知識も楽しい読書。2018/08/25
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