内容説明
悲運の姉弟の絆を想い、哀しく田に響く鳴子守の音。南原(なんばら)家の埋蔵金騒動に絡んで、穴掘り人足が次々と殺される。真相の見届けにあたっている秋月伊織は、数日前に縄暖簾で「穀潰し」と罵られていた貧相な若い人足・仙吉の豹変ぶりを不審に思い、探索を開始した。苦界に身を沈めた姉と、貧しさに翻弄された弟の運命を描く、大人気文庫書下ろしシリーズ第5弾。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんぶん
11
見届け人の第五弾! しかし、読みにくい主眼がふらつくのだ。 見届け自体、テーマになりづらいのでは無いか。 のめり込めない小説だった。 藤原緋沙子…人情噺がもっと上手い作家なのだが…2014/12/10
ごへいもち
7
イマイチのようなそこそこのような。続きはどうしようかなぁ2025/02/03
だいしょう@SR推進委員会
3
町ネタの見届け人が見届ける3つの事件。下級武士、貧しい小百姓の孤児だった姉弟、町人、それぞれの短編は複雑な事情と感情が見え隠れする。好みは表題の「鳴子守」。親子の微笑ましくも哀しい話に胸がつまる。希望の見える終わり方もよかった。ただ、主人公伊織の存在感は薄い。長屋での一人暮らしを始めたお武家のわりに馴染みすぎてる。お記録屋吉蔵もなんだかはっきりとしないキャラ立てだ。もう少し貫禄があってもいいような気がする。登場人物たち全員、腰が軽すぎるのだな、きっと。それで話にしっかりと落ち着いた印象がないのかもしれない2012/04/03
ゆ〜や
3
2話目の話はこのシリーズ読み始めて、初めて「ああ、これこそ見届け人といえる仕事だな」と思った話でした。しかし、伊織の立場が、家がと色々気を使うわりには、命の危険がある用心棒の仕事を吉蔵は簡単に伊織に頼む・・・それこそ死んだらどうするとか思っちゃうよ。2011/12/22
まーら
3
伊織の活躍がいつもの通りかっこいい。そしてここに沁みるお話。「半夏生」いつの時代も変わらぬ産みの母か育ての親か。どちらにも親としての愛はある。ふたつの愛があるおさちは、幸せ。2011/09/18




