内容説明
楽譜も読めなかった大学生が、いきなりプロのドラマーに。折しも1970年代半ば、大衆音楽界は空前の激動期を迎えていた。夥しいアーティストたちを眺めてきた著者が綴る彼らの素顔と音楽業界の実像。これは、かつて書かれたことのなかった、そしてビッグスターたちには決して語り得なかった、日本ポップス発展期の貴重な証言史でもある!
目次
狭山米軍ハウス
雪山のステッペンウルフ
憧れのセッションマン
デビューコンサート
音楽業界の入口で
ペニーレインでバーボンを
ルージュの伝言
A HARD DAY’S NIGHT
スタジオと煙草とツアーと酒と
ミュージシャン行動学入門
音楽という仕事
忙しいことはいいことだ?
風がやんだ日
バンド元年~作詞家元年
エンヤトットと小説家
音楽活動再開まで
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
qoop
4
バック/スタジオミュージシャンの回想録でありながら、音楽業界の変貌を加味することで日本のポップシーンの一時代を俯瞰することも出来る。商業主義に走るアーティスト(と焚きつける取り巻き)や恐竜化する業界を尻目に自由に楽しく演奏することを尊ぶ著者のアマチュアリズムが面白い。いいタイミングで業界に入り、これまたタイミングよく抜けただけと云えなくもないが、まさに業界のエポックを感じさせるキャリアだな、と。2018/06/20
justdon'taskmewhatitwas
3
家にあるアルファ時代のシングルコレクション(本人非公認)の演奏は“キャラメル・ママ”で著者の名は見当たらない。懐古的内輪話だけど(おそらく)金目当ての執筆ではなく、むしろ誠実な人柄が偲ばれる。高橋幸宏や村上秀一が名をはせ、この人が世間的には埋もれた理由・・・、当然才能が一番でしょうけど、色々考えると世界のカラクリが見えるような気がします。2016/09/04
ShogoHirara
2
ここ数年「はっぴいえんど系&昭和歌謡」ばかり聴いて読む本もそちら関係のものが多かったが、こちらはユーミンの最初のツアーバンドドラマーの方の回顧録的自叙伝。音楽的にはとてもいい時代にセッションドラマーをされていて松任谷正隆氏と友達だったところからユーミンの初期ツアーバンドドラマーに。ベース、ギター、ケルト笛など複数をこなし、作詞家や作家になったりととにかくマルチな人である。舞台裏が垣間見られてとてもおもしろい本だった。2017/04/19
味噌漬の味
2
はっぴいえんどやユーミンあたりに興味があって読んだので、ユーミンがどんどん売れていく時期にバックバンドをやっていたあたりについて書かれた章はやっぱりとても面白かったし興味深かった。でもその後の80年代以降もとても面白く読めた。文章が、読みやすいだけでなく何か引きつけられるものがあるのが、さすが小説家でもある方だなぁと思いました。
nobu23
1
ユーミンが売れる前のバックバンドとしての活動が細かく書かれいていて面白かった。以降は逆に馴染みのない人ばかりでわからなかった。2019/05/03