内容説明
周りのみんなより、ちょっとだけ頭がよい小学四年生の理桜。担任の千里子先生からも一目置かれている彼女は、ある日、不登校の少女 「さなか」 の家を訪ねるようにお願いをされる。能天気少女のややや(注: 「ややや」 で名前)や、引っ込み思案の柊子とともに理桜は彼女の家に向かうが、姿を現したさなかは、なんと早々に大学での勉学を身につけ、学校に行く価値を感じていない超・早熟天才少女であった。そんな彼女に理桜は、学校と、そこで作る友達がいかに大切であるかということを説くのだったが……果たしてその結末は!? 野崎まどが放つ異色ミステリ、まさかの小学校編登場!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
た〜
152
天才×優等生+魔法使い(と書いてどうていと読む)=奇跡なのかそれとも壮大な演劇なのか? 友達がいない、その意味もわからない少女がやっと出来た友達を突然失う。そのときの自分の感情をどうしても理解出来ない彼女が見た魔法。その真相とともに、もっと大切なことに彼女はたどり着く。2012/07/07
まりも
115
ただの日常モノかと思ったら後半からの展開には驚いた。アムリタとこうして繋げてくるとは思わなんだ。こんな方法で娘が友達作れるようにするとか愛情と才能が凄すぎる。ちょっと強引すぎるかなとは思いましたが掛け合いも面白くなんだかんだ上手くいってるしこれはこれで良いのかな。2への繋ぎ回としては十分だけど単体の出来としては普通といった感じでしょうか。次はアムリタ再読してから2へと進みます。2014/07/02
黒瀬
106
周りの皆より頭が良く、こまっしゃくれた理桜は既に外国の大学を卒業し、博士号も取得している超早熟天才少女「さなか」を訪ね、今さら日本の学校に通う必要性を感じていない彼女に学校と友達がいかに大切であるかを説くー ボケとツッコミが入り乱れたコメディな物語は意外にも『友達』という我々も正確に認識出来ていない重要なテーマを取り上げている。さなかが導き出した友達方程式は間違っていると言い切れない。非論理的で反利害的で超経済的な人の理解を超えた存在、それが友達、か。それならば、最後に出てきたあの人に『友達』は居たのか?2019/10/04
shin
87
少し大人びた小学4年の理桜は、学校に価値を感じない不登校のさなかとの関わりを機に友達という関係に向き合うようなお話。友達という目には見えない関係の正体を数学的に、また運命や魔法など色々な側面から見て解き明かしていこうとするのは、急展開も含めどんな結末を迎えるのか気になった。最後のさなかと母親のやり取りで数式で出せるような答えじゃないよなとほっとしたのも束の間、たった一文からアムリタの登場人物が浮かんで、過程が全て意図的なものだとしたら?と確定できない世界の無限の可能性を空想しゾクリとさせられたお話でした。2015/01/24
ハタ
79
友達がテーマの本書。計算されたプロットにあえて「友達とは何か?」と抽象的命題をぶつけ、登場人物達・そして読者を揺さぶる姿勢には、毎回「ぐぬぬ」と歯噛み状態になります。しかし伝えたい事がはっきりしている点と軽快な文章のおかげでスイスイ読めるのは素晴らしい。毎回感じる「してやられた感」はこの著者の十八番なのかも、、。2016/08/07