角川ソフィア文庫<br> 帝都妖怪新聞

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角川ソフィア文庫
帝都妖怪新聞

  • 著者名:湯本豪一
  • 価格 ¥616(本体¥560)
  • KADOKAWA(2014/11発売)
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  • ISBN:9784044094416

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内容説明

文明開化に沸き返る明治の世。妖怪たちは、新聞という新たな棲息地で大繁殖していた!新聞各紙が大真面目に報じた百花繚乱の怪奇ニュースが、今ここによみがえる。当時の挿絵とともに現代語で楽しむ文庫版妖怪新聞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Bugsy Malone

77
明治時代に実際に新聞に掲載された怪異噺を、項目別に分類してまとめたもの。信じる信じないは別として、明治の世に各新聞がこぞってこれだけの怪異噺を絵入りで載せていたという事実に驚く。一部の噺しの末尾では「これも神経症の類い」と締めているのも、文明開化を現す所以と読めて面白い。資料としても貴重なものだと思いました。2018/09/25

HANA

62
御一新以来、幽霊や妖怪は神経症という事になり世の中から一掃された。とタテマエはそうなっているものの、庶民の心性の中にはしぶとくそれらは生き続けている。本書はそんな庶民の読む新聞が妖怪をどう報じたかという記事を収録した一冊。もうこれがどこを読んでも面白く、白い猿人に黒い山男、予言獣にクエビコ、狐の嫁入りに狸の学校、鬼のミイラ等興味深からぬ記事は無い模様。最近の社会の木鐸を気取る交渉じみた新聞とは一線を画した、庶民と共に歩み報じたい物を報じる新聞の姿がここには存在する。一風変わった明治の姿、面白く読めました。2025/09/11

帽子屋

6
文明開化をうたった明治の「奇譚・不可解譚」を載せてあり、妖怪等を調べる上ではとても楽しかった。記事の最後に文明人を気取って「西洋風に言うなら」「現代でいうところの」「田舎には迷信が」には笑った。そういうことは現代になっても生きているのだから、迷信も何もあったものではない。必至こいて「文明開化」しようとする態度がむしろほほえましかった。多分こういった奇譚や妖怪譚はこれからもずっと続いていくんだろうなあ。2015/05/13

かりこ

5
文明開化の明治時代の新聞に、怪異の記事がこんなに載っていたのか。「そんなものは神経症だ」「田舎者は変なことを信じて困る」というような文で締めくくるものも多いが、狐狸については記者達もまだ信じているようにうかがわれる記載もある。ほとんどの記事に挿絵が載っているのがありがたい。予言する幻獣のイラストが素朴で可愛らしかった。2017/06/22

4
明治の頃の新聞に掲載された、不思議な出来事をまとめた…というか、詰め込んだ本。文明開化で近代化と言っても、人間が信じてきたものなんて簡単には変わらないというのがよくわかる。もしくは、今よりもそういうものが見える人が多かったのかなぁ…などとも思ったり。 明治時代の身の上相談の本を読んだときにも思ったけど、この時代の「記者様」の上からの言い草がひっかかる。2015/04/12

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