内容説明
近年、国際的な酒類コンペの賞を総なめしているジャパニーズウイスキー。躍進の裏には、秀逸な日本人の“ものづくり精神”があった――。一時期の人気低迷にもかかわらず、研究開発を重ね、ついに日本のウイスキーは、世界に類を見ない個性をもつ酒へと進化したのだ。知れば知るほど魅力的なその奥深き世界、ブレンドという魔術、バーで使える薀蓄等、「世界一のブレンダー」が自ら伝授する、“ウイスキーを10倍愉しむ方法”。
目次
序章 ウイスキー再生
第1章 日本のウイスキー誕生とその受容の歴史
第2章 日本のウイスキーのつくられ方
第3章 ブレンダーが見ている世界
第4章 熟成、その不思議なるもの
第5章 ブレンドという魔術
第6章 世界の中のジャパニーズウイスキー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バトルランナ-
28
響はブラームス交響曲第一番第四楽章をイメージして作ったp89 一般企業でも聞き分けのいい部下ばかりではありません。p161 経済成長を遂げつつある国はブレンデッドウイスキー、低成長期に入るとシングルモルトが好まれる。p192 10年20年先を見据えたウイスキーづくりp198 この本俺が読んでいることがラジオ関西の番組で取り上げられましてん。 4点。2019/10/14
ヤギ郎
15
劇場アニメ『駒田蒸留所へようこそ』を見てから、ウイスキーを嗜むようになった。サントリーのウィスキー部門でチーフブレンダーによる新書。著者は叩き上げでブレンダーになったのではなく、研究部門や生産・貯蔵部門を経験してから遅咲きのブレンダーとなった。前半ではウィスキーの基本知識やブレンダーの仕事について書かれ、後半ではジャパニーズ・ウィスキーが誕生するまでウイスキーと共に感じたことを記している。読みやすい文体で、一般向けに分かりやすく書かれている。ウイスキーを片手に読んでみるのも楽しい。2023/12/04
calaf
13
ブレンダー...香水の調香師の話が出てきますが、それと同じく人間の感覚を用いる職業なので、面白くてやりがいがあるかもしれませんが、怪我や病気によるリスクも高そうな気が...まぁ、これはどんな職業でも多かれ少なかれあるとは思いますが。2012/03/02
kubottar
13
ブレンダーという仕事がとても魅力的だった。煙草もコーヒーもやらず、毎日昼飯は同じモノを食べて調子を整えるという徹底っぷり。プロの仕事感が見えるとウイスキーもまた違った見方ができる。2011/09/15
たくのみ
10
マッサンでおなじみ、サントリーの山崎蒸留所。そこの「チーフブレンダー」輿水さん。ウイスキーはち密に計算された芸術品であり、優れたウイスキーを作るブレンダーはオーケストラの指揮者なのだ。発行、蒸留、熟成、ボトリング、そのすべてにわざと技術の蓄積があり、特に樽やポットスチルの形で全然違うものになる不思議。さらにフレーバーホイールという細かい品質評価基準が面白い。やっぱりウイスキーは深いなあ。2014/12/22