内容説明
東日本大震災は悲劇となった。日本の政治や社会システムのほころびが露見し、信頼は失われ、日本は大打撃を受けた。世界からガラパゴスのように孤立し、国内の絆もくずれ始めた。 しかし、日本は今こそ、行き過ぎた個人主義を是正するチャンスでもある。コミュニティを取り戻すチャンスなのだ。島国としての強さと弱さはどこにあるのか。 茂木健一郎が、日本に今こそ必要な2つの視点を打ち出す新たな思索。
目次
第1部 3・11以後、僕が考えたこと(3月11日の僕 文化的遺伝子としてのコミュニティ 暗黙知を高める ほか)
第2部 神津島で、僕が考えたこと(島国日本の縮図、神津島 若い力=ネットワーク 不透明な将来を覚悟する脳 ほか)
第3部 脳をきたえる方法(脳と感情について 脳と記憶について 脳と運動について ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
K K
5
よかった。 クリティカルシンキングについては、外資でずっと働いて来た私は日々痛感していること。議論を戦わせるのはいいことである。相手の意見への反論は相手の人間性の否定ではない。情緒を重視しすぎるのも国際社会では考えもの。 批判は、おとしめるためのものではなく、よりよいものに導くための方策である一方、ジャッジはよろしくない。 他者を非難嫉妬する人は根底に嫉妬がある。その通り。 自分の劣等感や弱点をきちんと見つめながら、脳を活性化させ続けたいですね。2017/06/06
ありんこ
5
去年訪れた神津島で考えたこと、震災後考えたことなど。母親が安全基地を作ってあげると、子供は安心して飛びたてる。どんどん外に出て刺激を受けることが大切といういつもの主張。いつも勉強になります。2011/08/30
SAGA
3
コミュニティーが強いと安心。後半は質疑応答形式。安全基地があると冒険ができる。2011/09/27
ジュースの素
1
神津島に行った経験が茂木さんに大きな影響を与えているそうだ。小さな島で、学校全部の子の名前を知る村長さん、特にそれだと言う。脳は安全基地があってこそ伸びて行く、そうなんだ。 旅だって、帰る家がちゃんとあれば安心して決行出来る。まだ測り知れないなぁ、脳の存在。2024/11/13
ナランハ
1
情緒で物事を判断するだけでなくクリティカルシンキング(=分析的思考)で物事を判断する。コミュニティを再生させて安全基地を再構築して外へと飛び立つこと。2011/09/04