内容説明
日本人ノーベル物理学賞受賞者7人のうち、6人が「素粒子物理学」の研究者。
この分野の圧倒的な強さを支えるのは、日本の技術力を結集した「すごい実験」だった。
ニュートリノとは何か?
その性質解明のため、茨城県東海村(J-PARC)から、500キロ離れた岐阜県神岡町(スーパーカミオカンデ)に向けてニュートリノを撃ち込むという、物理学史上最大規模の実験「T2K」。
その仕組みを、金髪の異端研究者が高校生に向けてわかりやすく解説。
宇宙誕生の謎に迫る、物理学の最前線からのレポート。
子孫のために、我々がやっておかなくてはならない「知の開拓」の物語。
「この実験が成功すれば、ノーベル賞を取るだろう! 現場の研究者だからこそ語れる、最良の入門書」
村山斉氏
「類書に挫折した経験のある人にこそ推薦したい! ポップな語調と巧みな喩えに“そういうことだったのか”と膝を打つことだろう」
池谷裕二氏
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あーさん☆花火大会が迫っています!!
61
見た目で判断しちゃあいけないんだろうけど、著者の写真で尻込みしてしまうだろう金髪の本当に京都大学?と疑ってしまうのだが、これは買いだろうと思ってしまう程の本。2018/11/09
papako
52
お友達のだんなさんのオススメ本。いやーーー、日本すげー!素粒子すげー!と思いながら読みました。でも、半分も理解できていない。物理の世界の、理論から実験して見つけるという流れ、執念を感じました。『ニュートリノ』が『ニュート+リノ』へぇ。『加速器』でのガン治療、すごいです。いろいろすごすぎて、ちょっとかしこくなった気がします。今度の授業に使えそうなマメ知識を手に入れました。何度でも言いたい。物理すげー!日本すげー!2016/03/29
樋口佳之
36
unlimitedで読む素粒子物理。サブタイトルにあるように高校生対象の講義を起こしたものなので理解しやすいものでした。/ただ役に立つ立たないの議論がちょっと即物的なのではと感じました。膨大な予算が研究の前提となるから仕方ないのかもしれないけども。この役に立つ立たない議論だと人文学とか死滅してしまいそう。2021/03/12
inami
29
★3.5 金髪でロン毛の著者、一見物理学者とは思えないのだが、ノーベル物理学賞に近い人と言われている。本書は2011年発行、高校生に行った4回の授業内容をまとめたもの。先日著者のYouTubeを観たが相変わらずの髪型だった(笑)。J-PARC(加速器)や小柴博士がノーベル賞を受賞したカミオカンデ(岐阜県神岡町)の施設で行われている実験に関することや素粒子の概論、宇宙の誕生などについて書かれている。高校生の授業内容ということだが、結構難易度は高く感じる。「不思議」と「驚き」が詰まった本だ。2024/06/12
Ayumi Katayama
26
中性子は15分くらいで崩壊する。陽子と陽電子と電子ニュートリノに自然に崩壊するのだが、この崩壊の仕組みが実に面白い。中性子はアップクォーク1つとダウンクォーク2つ、陽子はアップクォーク2つとダウンクォーク1つでできている。すなわち、ダウンクォーク1つが、アップクォークに変化すれば陽子になる。だが、陽電子と電子ニュートリノはどこからきたのか。質量は中性子が940MeV、陽子が938MeV。この質量差が陽電子と電子ニュートリノを生み出す。なぜなら「E=mc2」だから。エネルギーは質量に成り代われるのだ。2019/02/10