内容説明
――人はやがて総決算の時を迎える。そのとき「ありがとう」と言えたら、間違いなくその人生は幸せだろう。日本ホスピス界の草分けが、見送った多くの人の最期の姿から、「美しい死」を獲得するために人はどんな葛藤を経なければならないのかを教える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
36
2011年刊。がん患者のホスピスで働く精神科医による死を迎える人々とその家族の周辺をリポート。日常の生きざまが死にざまに現れるは、ちょっと怖い指摘で考えさせられる。患者の家族が、「悲しみを表現しておけば表現しておくほど、死別後の悲しみからの立ち直りが早い」と言う「予期悲嘆」という概念も参考。巻末対談の、抗がん剤進歩が必要以上の医療を招き、患者の最後のクオリティ・オブ・ライフの阻害要因=「引っ張り症候群」と言う指摘も薄々予感を持っていたので納得。本書から14年、最新の医療状況も知りたいところ。2025/02/22
みち
17
人は生きてきたように死んでいく。私は、死ぬのが怖い。不安なので死に関する本を読んでしまう。独身の私は、怖いよーと言いながら、孤独に死んでいくんじゃないか。と思っている。せめて、後悔を少なくして生きて行きたい。高齢の父に付き添うが、医者は病気を治すのが仕事で、死に逝く人に対しては対処する術が分からないのかな。と思う。患者も多く大変だし、全てにおいて求めるのは酷なのかもしれないけれど。この本の最後に書かれてある、告知や、治療の在り方がスタンダードになれば良いな。2024/09/10
Mihoko
6
ホスピス精神科医の経験談から様々な人生の幕の下ろし方が書かれている。ターミナルケアという人生の完成期を活かせる医療の在り方にも触れられている。自分は「どんな死にざまになるのか!」と考えるところから、現在の生き方を模索する切欠を与えてくれる書でもある。2021/08/29
ふにゃ
3
死を直視したくないと思う。知識をつけても絶対的な死の前には気休めにしかすぎないが、向きあうためにこうした本を読んでいこうと思う。治療に駆り立てることが、患者さん自身の死と向き合う時間を失わせてしまうことがあることに気をつけておかなければならない、という部分が印象的であった。良かれと思ってしていることが本人のためになっていないということは、結構あると思うので。2013/10/08
イカ
1
「末期であるということが、和解を促進する場合があることはたしかだが、できれば、元気なうちに必要な和解は成立させておく方がいい」。それはそうだ。大切なことは先送りしない方がいい。「矢先症候群」というのは「先送り」であり、その反対は「今を生きる」。良い学校に入る、良い就職をする、良い結婚をする、良い老後を送る...ために今は我慢するという先送りを続けていたら永遠に人生を楽しむことはできない。夢や目標をもって生きることは悪くないが、大切なことを先送りするのではなく、その過程そのものを楽しまなければつまらない。2019/02/11
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