内容説明
あの英雄たちのベッドでの姿や、国王の秘められた恋。美少年揃いの取り巻きや大奥。財産をなげうち夢中になった遊女遊びと世界一の娼館。内緒にしたい性癖や政略結婚のゆくえ、浮気から果ては秘密結婚まで……。歴史とは、知られざる官能的なエピソードの宝庫だった――! 古代から近代まで、東西を問わず、学校の授業や教科書にはけっして出てこないエロティックな愛の営みに縦横無尽にスポットを当てた刺激的比較文化論!
カバーイラスト/鈴木r15
目次
江戸の遊女、西洋の娼婦(遊女屋の格付け;遊女屋のしきたり(初会編;裏を返す床入り)
遊女と遊ぶにはいくらかかるのか? ほか)
日本の衆道、西洋のホモセクシュアル(男色の元祖;僧侶と稚児;美形の親衛隊 ほか)
大奥と寵姫(日本における宮廷愛;大奥内の階層;大奥で花嫁修業 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なつき
10
武士と騎士と表題にあるものの、男色のみならず古今東西の寝室ネタを集めた本。吉原系は時代小説を読んでいると自然に身に着く知識が多かったので特に新鮮味なし。稚児・寵童・芸術家のホモセクシャルも特に新鮮味あるものはなく、むしろ娼婦と寵姫の話しが興味深かった。ニノン・ド・ランクロすごすぎ。2016/11/10
arianrhod
5
表紙の絵が綺麗だったのとちょっと気になるようなタイトルだったので読んでみました。以前読んだ同著者の別本とかぶる内容が沢山あったし、秘密というほどではなく一般的に知られたいきさつも多くのっていたので、さほどの驚きはありませんでした。最後に掲載されていた大量の参考文献はうれしかったかも。読んだことのない興味のある本を探すきっかけになりそうです。2018/07/27
coco.
4
『八雲』シリーズの表紙を手掛ける鈴木康士さんの表紙に惹かれて即決。西洋と日本の性愛事情を交互に紹介する豆知識本。男色は決定的な証拠が無いので噂の域から脱し切れないもの、こじつけに見えるものも有り。そこそこ知っている人ならば、レポート知識としてまとめたものと感じるかも。深入りしたい人、読み応えがある独自の考察や有り得るんじゃないか、と疑うような新説を読みたい歴史好きには刺激がやや物足りない。初心者には丁度良いのかな?ちょっとあやふやに書くものは、ご勘弁して頂きたいものもあるけど。参考文献一覧は保存版。2013/04/27
mayama@読書生活自由型
4
歴史は夜作られる・・・と言うとカッコいいのですが、要するに下世話なこぼれ話は面白いという(笑)。日本の武家社会の事情と西洋の貴族社会の事情を交互に紹介。遊女と高級娼婦、日本の衆道と西洋の同性愛、大奥と寵姫制度・・洋の東西はあれど、人間のすることはやっぱりそれほど変わらないようで(笑)。ただ、日本は秩序やしきたりといった厳しい規律やお約束があって一見ストイックに自堕落だったりするのに対して、西洋諸国は政治も絡んでパッショネイトにも程があるんじゃ、ってくらい色々スキャンダラスで激しい・・。2013/02/25
viola
3
西洋と東洋の寝室秘話+ホモセクシャル+王室系ってところです。あー、うん、どっかで読んだことあるなぁ、というのが9割くらい。特に巻末の数十ページは読み気が起きないほど今までの著書とおんなじことなのが残念。女装のローマ皇帝ヘリオガバルスがホモセクシャルだ、と書かれているけれど、ホモセクシャルと言うよりは身体は男性で心は女性だったのかも。2011/10/06