中公文庫<br> 地震雑感/津浪と人間 寺田寅彦随筆選集

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中公文庫
地震雑感/津浪と人間 寺田寅彦随筆選集

  • ISBN:9784122055117

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内容説明

「天災は忘れた頃にやって来る」の名言で有名な寺田寅彦の、地震と津浪に関連する文章を集めた。地震国難の地にあって真の国防とは何かを訴える色あせぬ警告の書。寺田寅彦が漱石門下の友人小宮豊隆に送った「震災絵はがき」のカラー図版十葉を収める。〈解説・註解〉千葉俊二・細川光洋

目次

断水の日
事変の記憶
石油ランプ
地震雑感
流言蜚語
時事雑感
津浪と人間
天災と国防
災難雑考
地震の予報はできるか
大正十二年九月一日の地震について
地震に伴う光の現象
震災日記より
小宮豊隆宛書簡(大正十二年九月?十一月)
無題

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モリータ

11
◆2011年7月刊。寺田寅彦による災害に関する随筆を集めたもの。当然、東日本大震災を受けての出版ということであろう。繰り返し起こる災害やそれへの備えの必要性に関して、書かれてあることが当たり前に感じられる、とすれば、著者のような考え方が歴史的に見て正しかった、ということか。◆以下抜き書き。2021/06/30

マカロニ マカロン

7
個人の感想です:B。大正末~昭和初期に書かれた地震・津浪・科学技術関連の随筆集。『天災と日本人』(角川ソフィア文庫)と5編が重複。関東大震災前後の1923/8/24~9/3の日記が詳細かつ冷静に状況を記録している。小宮富隆宛書簡(同年9~11月)も同様に貴重な体験記になっている。本書の『事変の記憶』では「物質が進んだ代わりに人間は退歩した、(いろいろの根も葉もない噂に心を惑わされ)昔の自警団は罪もない人をなぶり殺しにはしなかった」と書いているが、現代のSNS上のバッシング騒動を見ると今も変わっていない。2020/08/30

なさぎ

3
先の胆振東部地震では、北海道全域にわたる停電によって多大な影響が出た。暖かい時期だから良かったが、これがもし冬だったならば、3.11にも並ぶ大震災となっていたかも分からない。「断水の日」を読みながら、人類が根本的には進化していないという寺田の言を重く受け止める。2018/10/22

狐狸窟彦兵衛

3
寺田寅彦という人は、一流の物理学者であり、かつ、一流の文学者であることを今さらながらに知りました。関東大震災の以前から、地震や津波の発生するごとに冷静にその状況を分析し、「減災」のための対策の重要性を説いています。政府の災害対策のお粗末を嘆いて「陸海軍当局が仮想敵国の襲来を予想して憂慮するのも尤もな事である。(中略)戦争の方は会議でいくらか延期されるかもしれないが、地震とは相談ができない」と言っています。外交でも、防災でも国民を守り切れない「政府」への批判のまなざしは、世紀を超えて、現代をも貫いています。2015/02/04

Hiroki Nishizumi

2
英知を引き継ぐことは必要だが、難しいよな2024/02/06

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