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内容説明
大学とは職業教育の場ではなく,専門知識に光をあてて正しい方向に導く一般教養の光明をもたらすところである.文学,自然科学,社会科学,道徳・宗教,芸術などの一般教養科目についてそれぞれの意義を述べながら,大学教育の原点と理念を指し示す.名高いセント・アンドリューズ大学名誉学長就任講演.(解説=竹内洋)
目次
目 次
凡 例
序 広義の教育と狭義の教育
一 大学教育の任務――一般教養教育の重要性
二 文学教育
古典言語と現代言語
古典文学と歴史
三 科学教育
科学教育の意義
数 学
自然科学
論理学
生理学
心理学
四 道徳科学教育
倫理学と政治学
歴史哲学
経済学
法律学
国際法
五 道徳教育と宗教教育
六 美学・芸術教育
七 結 び
[解説]教養ある公共知識人の体現者J・S・ミル(竹内洋)
訳者註
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がっち
20
マックスウェーバーを読んだあとなので、相反する思考があるが、ミルの考えにも賛成である。社会のためにある教育というのも必要であるかなって思うが、特に社会を教育しなければならないと思うためだ。しかし、それは教養があってのことであり、せめて学部のときは教養の勉強をしなければならない。それから、専門教育でよい。就職のための勉強にならないために教養を学びたいと思うが、なかなか難しいものである。2013/05/31
魚京童!
19
言葉は賢人にとっては現金代わりの数取り札であり、愚者にとっては貨幣である2014/09/25
MAT-TUN
17
なんという優れた本だ。翻訳もすばらしい。文学教育、科学教育(数学、自然科学、論理学、生理学、心理学)、道徳科学教育(倫理学と政治学、歴史哲学、経済学、法律学、国際法)、道徳教育と宗教教育、美学・芸術教育、をあげて、その意義を論じている。1867年の作だが、古さは感じられない。むしろ今の大学教育を考える上でこの上なく参考になると思う。古語で韻文を書くトレーニングに固執して時間を浪費するのはいかがなものか、食わず嫌いせずに論理学の訓練をしてみなさいよ、など具体的な学習へ言及もおもしろい。2013/01/26
kannkyo
16
1867年、当代きっての知識人であるジョン・ステュアート・ミルは、学生投票によりスコットランドのセント・アンドルーズ大学の名誉学長に選出された。本書は、その名誉学長就任講演の草稿である。哲学者、経済学者として名を馳せた彼も、教鞭をとった経験はない。しかし、彼の語る大学教育の原点と理念は本職の教授たちをも唸らせるものがあった。いわく、大学の目的は有能で教養ある人を育てることであり、教養には知識と道徳があり、知識には文学と科学の両方が不可欠である、と。日本の大学生に読んでほしい一冊だ。2022/07/03
kubottar
15
数学・物理学をコントロールするために論理学も必要だとの考え方は初めて知りました。2023/01/12