内容説明
震災後、日本中に響いた「頑張れ日本!」のかけ声。一日も早い復興を願うのはもちろんだが、今の日本には悲しみを正面から受け止める力が失われつつあるのではないか、と著者は主張する。つらい現実から目をそらさずとことん悲しむことで、生きる力が涌き、真に優しくなれるはず。孤独死・自殺問題に取り組んできた若き僧侶が被災地で見た死と祈り、そして希望を、仏教の言葉を通して伝えていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かんちゃん
18
僧侶として数知れない死に向きあってきた著者の目線は慈しみに溢れている。悲しいときはちゃんと悲しむことが大事だ。人と向き合い、自分と向き合う。生きることは必ずしも楽しいことばかりではない。でも、助けが必要なときは遠慮なく泣き、人の愛にすがればいい。お互い様…あらためてその言葉の意味を噛み締めた。2015/11/11
haruaki
6
死に際のエピソードは泣ける。明日にも自分が当たり前のように生きてるのは大変に幸福なこと。東北の震災も、読んでいて涙が溢れる。今まで、被災した人たちの事を表面だけで、ちゃんと知っていなかったと反省。心から、亡くなった方達のご冥福をお祈りします。2014/05/08
ラーメン小池
5
【図書館本】仏教系ホスピスにて末期ガン患者を中心に数百人を看取った若手僧侶の、死と悲しみを見つめた一冊。本書の大きなテーマとして、悲しみを直視して受け止める重要性を挙げている。上手に悲しむヒントとして、竹内了温氏の「静かに己を悲しむこころより、真実の力は生る」という言葉を紹介する。印象的なのは、ホスピスで死期を迎えた患者の家族が見せる、突き放した冷たい言葉や振る舞いの数々・・。後々後悔することはないのだろうか・・?現在は誰もが孤独死ならぬ孤立死に陥る可能性を孕む時代、慈悲の心がいよいよ大事ではないか・・。2015/06/27
ココアにんにく
3
グリーフケアをされている僧侶の本を何冊か読んで違和感は消えてきましたが、病院で僧侶、普通は「縁起でもない」でしょう。『葬式は、要らない』でも書いてあるように葬儀仏教と化した中で著者の活動は貴重です。見捨てられた患者がお坊さんに独白するのは、親鸞聖人の言われている「誰でも極楽浄土に行ける、まして悪人でも」にすがっているのでは?と思います。震災での僧侶ならではの活動。本書の通り「がんばれ」は時に残酷になりますね。死別の悲しみに蓋をする。すごく響く言葉でした。2016/09/04
鈴木双葉(全日本目が死んでる団団長)
3
これ読んで一番印象に残った部分が「一般的な葬儀社の利益率は4~5割。約半分が利益となる商売などなかなかない」…そこじゃないだろ自分…。2012/06/15
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