内容説明
「もののあはれ」の共同幻想や、『雨月物語』の対幻想という「物語」空間を拒否し、そこから限りなく遠ざかりつつ、なおそのことによって「物語=寓ごと」を示そうとする『春雨物語』の戦い、あるいは抗いを“読む”。
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目次
序章 『春雨物語』を読むとはどういうことか(『春雨物語』を読む前に
『春雨物語』とは何か
「血かたびら」とは何か
『春雨物語』十編の流れ)
本説 『春雨物語』という思想(『春雨物語』論のために-私的研究史と仮説、もしくは妄想
「死首の咲顔」試論
「捨石丸」試論
「樊(かい)」試論)
余説 『春雨物語』以前(「上田秋成」の「小説」
近世小説の「表現」-秋成の浮世草子と『雨月物語』
近世中期小説の上昇過程-都賀庭鐘から秋成へ
本当は恐ろしい?『雨月物語』)