内容説明
探偵見習いで元ヤクザ。矢能(やの)が呼び出された先で出くわしたのは、死体となった依頼主と妙な覆面を被った若い男。図らずも目撃者となり、窮地に追い込まれた矢能。しかし覆面男は意外な方法で彼を解放した。これが周到に用意した殺人計画の唯一の誤算になることも知らずに。最も危険な探偵の反撃が始まる。 (講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
163
やっぱり読みやすさはピカイチですね。再読の点を差し引いても、木内さんの作風はスピード感があって、本当にアッという間です。元ヤクザの探偵「矢能」と小学生の「栞」の二人の距離感が絶妙でいい。事件の展開はともかく、ひたすらハードボイルドな「矢能」にとにかく憧れます。自分を決して見失わないブレない美学、元ヤクザだろうが、探偵だろうが、かまいません。とある事情により面倒をみるコトになった「栞」のコトを本当に大切にしている「矢能」さんの男気、カッコよすぎです。このあと二人がますます仲良く?なっていくのが楽しみですね。2020/09/20
ケンイチミズバ
160
非の打ち所のないストーリーの面白さ、引き込まれる展開。これが時代劇なら恩義や忠義で人を殺めることは日常だ。ナイフなど刃物は相手に近づく必要があり、反り血も浴びる。銃は相手の顔すら見ずに済む。死に物狂いに反撃されることも少ない。卑怯だ。子供の頃からずっと幸せと縁のない人生だったが生まれて初めて恋人ができた喜びがあった。しかし殺害した相手にも恋人が、その人の依頼で犯人を追う矢能こそ正義の側だった。それを覚った今、崩れ落ちる心が悲しすぎる。いや、それ以上に栞ちゃんの言葉にジーンと来た。泣けた。あの強面が崩れた。2018/11/26
しんたろー
151
矢能シリーズ第2作目。ハードボイルドタッチながら読み難さは全くなく、展開も早いのでサクサク読める。矢能が強面と知恵と仲間たちによって敵と対峙してゆくのがワクワクするし、終盤からは一気呵成に突き進んで、痛快に終わるのもイイ。敵の青年と師匠が切ない事情を抱えているのも共感できるし、矢能と栞の関係も微笑ましくて好ましいアクセントになっている。エンタメ作品として標準点以上の良作だと思った。第1作目を随分と昔に読んで覚えていないので読み返したくなった。2017/03/04
🅼🆈½ ユニス™
136
遅読の私が1日で完読とは❗️ストーリーの疾走感が半端ない。登場人物の様々な関係と時間軸が交錯する展開も一気読みをサポートしてくれる。本当に口コミ評判を信じて良いのだろうか、混雑のお店でアペタイザーだけを注文したバカ見たい。矢能と栞の出会いを省いてしまった事やシリーズ途中から割り込んでしまった事をめちゃくちゃ後悔している。シリーズにいつ戻れるか分からないけど、絶対に全シリーズ完登してやる❗️2019/12/29
chiru
129
木内さんの作品を読んだ中で最高傑作。 感動のあまり鳥肌が立つほど素晴らしかった‼ 裏社会に君臨した実績と特権をフル活用する探偵矢能と、道から外れた者たちの頭脳戦と罠と誤算。 先の見えない展開と逆転するアドバンテージ。『悪を悪で制する』という手垢のついたテンプレなのに、痛いほど善悪の価値観を揺さぶってくる。 正義VS悪党でも、悪党VS悪党でもなく、大切な人を守る闘いはすべて正義VS正義。 最後に矢能が栞にみせた、不器用な『正義の形』に胸が熱くなる。 紛れもない名作。 ★5⤴2019/03/27
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