講談社学術文庫<br> オイディプスの謎

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講談社学術文庫
オイディプスの謎

  • 著者名:吉田敦彦【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 講談社(2014/10発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062920605

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内容説明

ギリシァ悲劇の白眉『オイディプス王』と『コロノスのオイディプス』。作者ソポクレスは二つの物語で深遠な問いを立てる。人間の本性とは何か? 苛烈な運命の下で、人間はいかに生きるべきか? 前五世紀、栄華を誇ったアテネはその後大敗戦、疫病の猖獗を経験する。大国難の中にあっても、人間は高貴なる魂を保持せねばならぬと訴えたのである。(講談社学術文庫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

buuupuuu

13
『オイディプス王』は、有徳で皆から尊敬されているような人物の正体が、実は罪に塗れた獣同然の男だったのだと明かされる話である。この話が書かれた当時、アテネは、大国ペルシャを奇跡的に打ち破りデロス同盟の盟主として栄華を極めた高みから、ペロポネソス戦争の勃発と疫病の蔓延によって人間としての尊厳が奪われ道徳的にも退廃した状態へと落ちぶれていた。アテネの人々は、自分達の状態とオイディプスとを重ねて見ていたのだという。そして仮に悲惨で醜悪であるとしても高潔であり続けようとする彼の姿がアテネの人々の心を打ったのである。2022/06/07

みのくま

5
ソポクレス「オイディプス王」「コロノスのオイディプス」は、ギリシア悲劇屈指の作品である。現代人が背景を知らずに読んでも衝撃を受ける傑作である事は間違いない。だが、ソポクレスは黄金期からペロポネソス戦争を経過し没落し滅亡の可能性すらあったアテネを生きた上流階級の人であり、彼の作品は文学的だけではない多くの意味が付与されているのだ。この奥行きこそが、逆説的だがソポクレスの最大の魅力であろうと思う。オイディプスの栄光→転落→神化という経過は、都市国家アテネや大政治家ペリクレスを想起し、それは不朽の歴史と相成る。2023/11/24

Kota Abe

4
運命に左右される人間、陥ってしまう悲劇、その中でどうあるべきかなど先人からの教訓がソフォクレスのギリシャ悲劇には描かれてある。表面上の物語とは次元の違う作者のいた当時の現実の物語とその世界への作者の関わり方が、いわば丸ごと比喩として物語で表されている。メッセージを伝えようとした時に、事実とその解決策である理論、思想をストレートに伝えるよりも、メタファーを使ったほうが人間の心に響くのかもしれない。時代が必要としたから生まれたソフォクレスの物語の意味する内容は2400年後の現代にも必要だと思う。2016/12/17

Seiichiro Yamamoto

4
『オイディプス王』『コロヌスのオイディプス』という二つのソフォクレスの作品の精読を通じて、これらの作品が有する時代背景・意義を明らかにする。オイディプスは、父の殺害・母との姦淫という二重のタブーを知らずして犯した後、自らの悲惨な運命を甘受し、遂に神々との和解を果たした。本書では、この一連のプロセスの持つ意味が、ギリシア語に関する詳細な分析や当時のアテネの情勢などから、一貫性を持って私たちに迫ってくる。本書が3.11を踏まえた著作であることも注目に値する。2013/02/16

きひら

2
あらすじの説明ばかりで、しかもそれの重複が激しく、あまりに冗長。日本語として怪しい文も散見された。主に冗長さによって、分析や主張が見えにくいが、よく考えると大した分析でもない。 元が論文だというのだから驚きである。 amazonのレビューが高かったので、騙された気分だ。よく立ち読みされてから買うべし。2018/07/22

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