角川書店単行本<br> 原発をつくった私が、原発に反対する理由

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角川書店単行本
原発をつくった私が、原発に反対する理由

  • 著者名:菊地洋一【著者】
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • KADOKAWA(2014/03発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784048851015

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内容説明

福島原発、東海原発の建設において現場を指揮した著者は、当時から原発の危険性に気づいていた。「必ずいつか、大事故が起こる」。原発の脆弱な内部構造と被曝労働の過酷な現場を知り尽くした男の壮絶な手記。

目次

第1章 知られざる原子炉の致命的欠陥(50年前から疑問視されていた安全性 原発はしょせん、「原子力やかん」 ほか)
第2章 原発建設現場の信じがたい真実(釜石に生まれて 建設の仕事を志す ほか)
第3章 私が反原発に転じた理由(私が原発から「逃げた」わけ 中東の建設現場で知った労働者たちの現実 ほか)
第4章 浜岡は二度と再開させてはならない(冷却機能は簡単に失われる 活断層の真上に建つ恐るべき原発 ほか)
第5章 未来の子供たちを殺さないために(騙され続ける日本人 建屋の「屋根」は風呂の蓋と変わらない薄さ ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モモ

60
驚愕。福島の原発の原子炉は全てアメリカのGE社が開発したもの。GEの社員として建設に携わった菊池さんの本。まず1970年代に稼働した福島の原子炉MARK1は完成直後から安全性に問題があった。70年代にすぐに止めるべきと主張したGEの技師たちが止めないGEに反発し辞めている。なんと再稼働を決めた女川原子炉も、この欠陥原子炉なのだ…。またGEは活断層の上に原子炉を建てるバカはいないと地震のことは計算に入れていない。しかし、日本では活断層の上に原子炉を建てるバカがいた…。本当に欠陥原子炉の再稼働は止めてほしい。2021/05/17

skunk_c

10
3.11の少し後に出された、元原発施工管理者の反原発書。著者の皮膚感覚から、特に配管や耐震構造に対する疑問、原発労働者の被爆問題などが語られている。広瀬隆のような扇情的な書き方でなく、落ち着いてじっくり語りかけるような筆致は、著者の誠実な人柄を感じさせる。51歳にして反原発行脚を始めたこと、各地での活動も自分を誇るのではなく、その難しさをにじませた地に足の付いた論調で、好感が持てた。データ的な数字は少ないが、それこそまやかしの理屈にもつながることも含め、「自分の眼で見た」ものを伝える姿勢が清々しい。2015/05/21

壱萬弐仟縁

10
タイトルからして、最初からつくらなければよかったが、つくらざるを得なかった理由は何か、という視点で読んでみた。配管は宙吊り状態のようだ(028頁~)。「日本人はあきれるほど、忘れっぽい」(052頁)。これでは同じ過ちを繰り返す。学習していくしかないのでは。原発の原点は55年体制の自社保革対立の頃に遡及する(070頁~)。メインテナンスは結局、マンパワー。この間、BS-TBSで10か月で1000人が被ばくするので、あと8000人しか残っていないといってた。ハロワに原発作業員求人票が出て応募する失業者が出る?2013/03/09

うらじ

9
複雑怪奇な原発事情にテリー・ギリアムの「未来世紀ブラジル」を思い起こした。 模型だけで数千万円かかるほど複雑な原発の配管は、工事が困難な作業スペースが狭く、熟練の溶接工が検査は通るけど自信がないと答えるほど脆弱なもの。 構造の複雑さだけでなく、組織の複雑さ、設計変更の多さ、技術者の多忙さなどなどあまりに理不尽な数々。 検査が通った後で誤りが見付かり正しい材料の配管に取り換えた、4年間ろくに家に帰らず200時間以上の残業がざらで同僚が過労死、というエピソードが特に印象に残った。 2014/08/27

coolflat

9
著者は元GEの社員で、福島第一6号機と東海第二原発の建設に携わっていた。著者は、原子炉圧力容器や格納容器よりも、それらに繋がる多くの配管を最も危険視している。原発で最も恐れるべきは、福島やスリーマイルで起こった「冷却材喪失事故」だと。福島における冷却材喪失は、全電源交流喪失によるものとされているが、仮に電源が生きていたとしても、配管が地震で破断すれば、結果は殆ど同じことになっていたと言う。いくら圧力容器や格納容器の耐震基準を厳格にしたところで、配管の設計やメンテナンスを厳格にしなければ意味がないのである。2014/08/28

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