内容説明
「大人の発達障害」が世の中に周知されてきたが、本書はその前段階の大学生、高校生の発達障害について取り上げたものである。子どもでもなく、大人でもない、思春期以降には、対人関係や自尊感情、性など特有の難しさが加わってくる。そのとき発達障害という「生きづらさ」を抱えた人たちは、どのような壁に突き当たるのか。また、周囲はどのような支援・サポートを行なえばよいのか。養護学校教諭として20年のキャリアを持つジャーナリスト・佐藤幹夫氏が、高校、大学、高等専門学校の現場を取材し、支援の現状と課題をレポートする。また、発達障害の原因論や障害者教育の歩みについても解説し、発達障害についての理解を深めるとともに、今後の社会のあり方や教育の方向性についても提言する。
目次
第1部 特別支援教育の現状(「地域」で行う大学生の発達障害支援―ある大学附属特別支援学校の支援部に見る取り組み 「学級崩壊」と特別支援教育―ある小学校に見る学級崩壊の事例 特別支援教育は「高校中退」を救済できるか―千葉・船橋法典学校に見る特別支援教育の取り組み)
第2部 発達障害と特別支援教育(「発達障害」をどう考えるか―育ちの遅れは、なぜ起きるのか 特殊教育から特別支援教育へ―戦後六十年、何が変わったのか?)
第3部 青年期の発達障害とその支援(働きたい若者が就業できない―佐世保高専に見る就労支援の取り組み キャンパスライフにおける「ヘルプ!」を支える―宮城教育大学に見る学生相談支援の取り組み 戦略的支援システムのつくり方―富山大学に見るトータルコミュニケーション支援室の取り組み)
第4部 「社会的逸脱行動」と生き直しの支援(「性的な逸脱行動」と自尊感情の育て直し―ある特別支援学校に見る自己肯定感を高める取り組み 「生き直し」のための生活支援―知的障害者の更生施設「かりいほ」の取り組み)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さなごん
epitaph3
林克也