内容説明
「患者を病院へ運ぶ」から「医師が現場へ向かう」へ。ドクターヘリを飛ばすべく奮闘する人々の熱い挑戦を描いたノンフィクション。
目次
第1部 救命救急センター(北総病院医局夜明け前 動きはじめた、千葉県ドクターヘリ 運航開始)
第2部 出動(フライトドクターに求められるもの 教育 緊急オペ 小児救急 連携)
第3部 一番への挑戦(進化 大震災 「一番」になること)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nyaoko
73
ベタですが、この本読んでる脳内はずーっとミスチルのHANABIが流れてました。実は知人の娘さんがこの北総病院に勤めていた事があります。その方より、ドクターヘリ導入の取材をされた人が本を出してるから、読んで見たらいいよ、と教えてもらって早数年…まさかの児童書コーナーで発見し、ようやく読んだのであります。なので、読みやすい、分かりやすい、ドラマとは違い、本当にリアルな医師達の熱意に胸が熱くなりました。泣きました。2020/02/24
よこしま
40
今日も「命を救う」ために飛びつづける。◆舞台は千葉県の日本医科大北総病院。阪神大震災で助けられる命を助けることができなかった、という苦い想いから日本では3番目にDr.ヘリが設置されました。◆ドイツでの100名以上が死亡する超特急事故。僅か2時間で全国のDr.ヘリ8割にあたる約40機が80名以上の患者を搬送できたのがモデルです。ゼロからのスタート。スタッフ全員が試行錯誤を繰り返しながら、高度治療を維持しつつ、全国に普及させていきます。◆児童書でありますが、大人でも熱意を感じる魅力的な1冊です。2015/09/09
ネコタ
29
コードブルーの新しいシリーズが始まったのにあわせて。ジャーナリストが取材に3年の期間をかけて、ドクターヘリを導入した千葉北総病院の様子を書いた本。命を救うために力を注ぐ医師たちの熱い気持ちが臨場感とともに描かれている。北総病院はコードブルーの医療監修を行っている病院。積極的に取材を受け入れているのは現場を一般の方に理解してもらうためと緊張感を保つため。日本の救急医療は大人用にできているので小児救急にあたるため、国立成育医療研究センターと連携をとる。千葉市と千葉市以外、行政の境目は市民には関係がない、感動。2017/08/15
ほたて
22
千葉のドクターヘリが日常的に活躍してる理由がわかりました。東日本大震災の時、病院の屋上でSOSを求めていた人は、報道のヘリを見て「そのヘリで一人でも重症患者を運んで欲しい」「せめて物資を…」と思っただろう(助けられる命よりも優先される情報なんてあるのかな…)。阪神大震災の苦い経験から立ち上がった一人のドクターが日本の救命医療を変えた。どれだけ訓練を重ねても経験がなければ適切な行動はできない。判断力や瞬発力は、日頃の業務で培われている。できないと言うのは簡単だけど、できない理由じゃなくやれる方法を考える。2013/11/08
Eri Ootsuka
9
岩貞さんのフライトドクターに関するリポートは二冊目ですが、今回も感動的でした。リアルなエピソードの中に救命医療に携わるスタッフ達への敬意が伝わって来ました。救命救急にスーパードクターはいらない、必要なのはチームワーク。いつか、このチーム医療に携わりたいと感じさせられた一冊でした。2013/03/01