寒灯

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寒灯

  • 著者名:西村賢太
  • 価格 ¥1,144(本体¥1,040)
  • 新潮社(2012/08発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103032335

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内容説明

「ぼく、おまえをずっと大切にするから、今後ともひとつよろしく頼むよ」ようやく手に入れることが叶った恋人との同棲生活。仲睦まじく二人で迎える初めての正月に、貫多の期待は高まるが、些細な事柄に癇の虫を刺激され、ついには暴言を吐いてしまう。あやうく垂れ込める暗雲の行方は――。待望の〈秋恵〉シリーズ最新作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あじ

44
「苦役列車」から乗り継いで「寒灯」へ。ワンマン運転手(主人公)貫多の毒男ぶりに、呆れるを通り越し失笑が止まらない。寂しさの裏返しとはいえ、無謀運転が過ぎる。垂れ流される高尚ぶった罵詈雑言を、不法投棄される身にもなってみたまえ。などと並べ立てておきながら、貫多という人物の造形に感嘆符を打つのであった。2019/01/15

テーブルジョークの得意な寺

43
現時点での西村賢太小説最新刊。これまた秋恵ちゃんシリーズ。楽しい雰囲気を必ず台なしにする貫多。その怒りは理由のある理不尽。しかし冒頭の『陰雲晴れぬ』での管理人に対する怒りはよくわかる。ラストの『腐泥の果実』では愛情の醒めた秋恵ちゃんが貫多を適当にあしらう。嫌いなシリーズではないので、一気に読んだが、ぼちぼち秋恵ちゃん以外の話を読みたい。ロマンスの神様、賢太さんにどうか新しい彼女を。2012/03/29

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

26
西村氏の作品はどれも似た主題でありながら、起こった事を独特の語り口で書いてあり、その世界にはまってしまう。創作する苦しみより、自分のぐるぐる回る脳内の考えとそれを抑える事ができない感情の爆発の連続なのであるが、これを詳しく書くと文学となり、太宰の生きていてすみません、みたいなものを見ている感じがしてついつい読んでしまう。好きな作家への偏愛も、身近にこんな人がいるとひたすら迷惑だけど、文章になると面白い。ここまで自己分析できる人もそうそういないのでは。2021/08/25

めしいらず

23
芥川賞の「苦役列車」は若干おとなしめでしたが、この作品は西村節が炸裂しています。悪意の洪水のような言葉が次から次へと。もう笑っちゃうくらい小気味良くポンポン出てきます。なんて嫌な奴だと思いながらも、なんだかクセになるなぁ。2012/01/09

Kei

20
なんとまぁクズな男…こんな人と同棲なんて絶対ムリ!!読んでてムカムカしてしょうがない。こりゃ、死んでもクズだ。2018/09/30

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