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内容説明
「カルピス」の名付け親、作家・武田泰淳の伯父である渡辺海旭は、
宗教家にして教育家、社会事業家であり、さらには詩文家にしてコピーライターであった……。
廃仏毀釈、肉食妻帯・蓄髪勝手令、日本人の仏教離れなど、
明治に訪れた日本仏教の危機を打破するため、
思想・実践の両面で日本仏教界を支え続けたが、未だ評価は定まっていない。
海旭は何を思い、誰と出会い、実践を積み重ねてきたのか。
関東大震災による消失から数少ない資料を元に描き出す渡辺海旭という傑物の生涯。
目次
第1部 青雲編(明治天皇と蛇骨長屋と牛鍋屋;廃仏毀釈と金竜山浅草寺 ほか)
第2部 雌伏編(欧州航路船上の人となる;教育こそ国づくりの基 ほか)
第3部 雄飛編(創作童話「釣龍爺」;社会事業家として ほか)
第4部 回想編(中村屋女主人、相馬黒光;カルピス創業者、三島海雲 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
禿頭王
1
右翼/左翼、仏教徒/キリスト教徒、日本人/外国人といった壁を易々と越えて交友関係を結び、僧侶・仏教学者・教育者・社会福祉家として多彩な活動を実現。やることなすことのスケールの大きさはまさに大入道。日本にこんな僧侶が存在していた事実に驚きを隠せません。これほどの人物が歴史に埋もれてしまっているのが、つくづく残念です。2020/04/01
メルセ・ひすい
1
15ー56 坊さんが普通の小父さんになった年!1872年4月⇒僧侶の肉食妻帯、蓄髪勝手令???ほんとにいいの無税なんだよ。関係ないか?★でも、なんか変?ローマ法王も幼児虐待で訴訟沙汰?社会も混乱するよネ 坊さんが職業!先生も職業?先生、坊さんは尊敬の対象者!普通の小父さんとは違うと思うんだけどっっ。社会混乱・不倫理の原因…海旭は過去の傑物ではなく、未来の傑物である-。漱石と同時代に欧州に学び、仏教を革新し、社会事業と教育を興し、アジアの独立運動を輔け、近代日本を変えようとした快僧・渡辺海旭の実像にせまる。2011/08/21