内容説明
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本書はいわゆる科学の通史ではなく、「パラダイム史」というべき方法で科学の歴史をたどります。「パラダイム」とは、アリストテレスやニュートン、アインシュタインなどがそれぞれの時代に創り上げたような、「一定の期間、科学上の問い方と答え方のお手本を与えるような古典的な業績」ということで、「通常科学」がその上に成り立ちます。年表的な見方とは違った方法で科学史を捉えていきます。
目次
第1章 「科学」と「科学史」をどう読むか
第2章 天動説から地動説へ―コペルニクス、ティコ・ブラーエ、ケプラー、ガリレオ
第3章 「17世紀科学革命」―ニュートン・パラダイム
第4章 産業革命から化学の時代へ
第5章 19世紀、化学の時代を育んだ大学
第6章 20世紀は物理帝国主義から生物・生命の時代へ
第7章 21世紀を支配するコンピュータ、デジタルのパラダイム
第8章 科学と社会の関係ということ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hirohito
2
パラダイムという用語は科学史家のトマス・クーンが言い出したそうだ。パラダイムがあり、その上で通常の科学が積み上げられ、壁にぶつかりパラダイムが変わる。たとえで言うと、ニュートン力学がでてきていろいろなことが説明できるようになるのだけど、説明しきれないことが出てきて量子力学が出てくる、など。タイトルは非常に面白そうなのだが、さめた口調のせいか、内容はあまり科学の”わくわく感”が伝わってこない内容で残念だった。2013/12/24
guppi524
2
科学史の大家による著作。クーンのパラダイム論をベースにして、科学の発展を語っている。80歳を超えて、最近の情報通信関連の発展までフォローしているのは凄いと思う。2011/08/29
tieckP(ティークP)
1
とても良い本だった。科学史の基本的な流れが平易な語りで展開されて、最後まで飽きずに読めた。ときどき年配らしい回顧的な部分もまざるけれど、人の良さが表れていてそれもまた愉快。まあ「哲学や芸術は蓄積的進歩はないが」などとさらっと言われると少しもやっとしますが、それも科学の蓄積的進歩を語りたいあまりの勇み足。ぜひ科学畑の「理論さえ覚えれば、その成立過程には興味が湧かない」という方に、また文系の科学嫌いの方に読んで欲しい本。ベレ出版は良い語学書を出すというイメージだったけれど、これまた出版センスのある本だった。2012/09/08
mikyao2006
1
物理学者による、科学史。全体を見通せるようになるのは年季が要ります。2012/01/15
hornistyf
1
ドイツの大学が一時期すごかったのは、当時入学・卒業という概念がなく、競争原理が働いたから、というのは初耳。2011/11/25